緩和ケア論
 Palliative Care Nursing
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko),西村 結花(NISHIMURA Yuka)
 担当教員の所属:医学部看護学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、がん看護・緩和ケア・循環器看護における具体的な健康課題について講義・実習を行う。
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:看護学科  科目区分:専門科目成人看護学 
【授業の目的】
患者が直面する痛みとは?どのようなケアが求められているのか?どのようなケアが有効なのか?死にゆく人に寄り添うことはできるのか? この授業では,これらの問いについて考察し,緩和ケアの基礎知識と技術を身につけることを目的とします.

【授業の到達目標】
1) 緩和ケアの講義,実例,文献を通して根拠を考え,看護師の役割について自らの言葉で説明できるようになる.
2) 全人的苦痛のアセスメントとケアのあり方について,事例を通して具体的に説明できるようになる.
3) 臨死期ケアの実例を通して,悲嘆へのケア,意思決定支援,社会資源の活用について説明できるようになる.
4) 緩和ケアのコミュニケーション,マインドフルネス,タッチングを実演し,その効果を文献と比較して意見をまとめることができるようになる.

【授業概要(キーワード)】
緩和ケア,全人的苦痛,症状マネジメント,意思決定支援,グリーフケア

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
1) 本科目は,看護学科DP3:専門分野の知識と技能に位置づけられる科目です。
2) 「山形大学医学部Student Nurse」の認定ならびに看護師国家試験の受験資格を得るための必修科目です.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
面接授業と遠隔授業(Web Class)の併用
1) 講義の他に,学生のグループ討議・発表会,技術演習によって授業を進めていく.
2) 課題レポートを作成することによって,看護の在り方について各自の考えを明らかにしていく.
課題: 『緩和ケアにおける看護師の役割について』 1,600~2,000文字にまとめる.
提出期限:5月21日〜6月18日12時まで Web Classから提出する.
・日程
5月21日~6月11日 火曜日 5・6・7・8校時   (13:00~14:30,14:40~16:10)
第1・2回 5月21日 ガイダンス,全人的苦痛とQOL(講義),緩和ケアの実例(記述・グループワーク・発表)
第3・4回 5月28日 症状マネジメント(講義),疼痛コントロールに関する事例検討(記述・グループワーク・発表)
第5・6回 6月4日  コミュニケーション,マインドフルネス,タッチングの効果(記述・グループワーク・実技)
第7・8回 6月11日 臨死期ケアの実例(記述・グループワーク・発表)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) テキストを購入し,講義や課題で提示された章・項目・ページをよく読み,参考となるポイントをチェックする.
2) グループワークでは,課題に沿ってグループで検討して内容をまとめ,発表する.
3) 実習:配布資料の手順を確認しながら学生同士でケアを実施し,各自で観察測定データを記録・分析してまとめる.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,以下の課題を課します.単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください.
1) 準備学修に必要な学修時間の目安は次の通りです.
 3時間/週  (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています.
2) 課題レポートは, テキストp51(表1-9)の中から1つをテーマに選び,自分の意見を論述してください.
意見の裏づけは,①文献を読み解いて引用すること,②授業で習った知識や自分の経験を具体例として示し論述することが望まれます.
3) 緩和医療学会,緩和ケアnet,厚生労働省などのサイトから最新情報を得ることができます.活用してください.
4) Web Classの演習問題を解答して,看護師国家試験対策として活用してください.

【成績の評価】
・基準
1) 緩和ケアの基礎的な事項について適切に説明できている.
2) 文献を活用し,根拠に基づいて意見が述べられている.
3) 授業や自己学習を通して得られた知識や経験に基づいて看護師の役割を考察し,論述できている.
・方法
課題レポートの内容によって評価する.100点.
基準を満たしていないレポートには再提出を求めることがある.再提出は1度限りとする.

【テキスト・参考書】
宮下光令編著「ナーシング・グラフィカ成人看護学⑥緩和ケア」(メディカ出版)
・日本放送出版協会製作 プロフェッショナル 仕事の流儀「がん専門看護師 田村恵子の仕事」(NHKエンタープライス)   
・BBC制作 THE HUMAN BODY未知なる生命・ヒト7「ハービー安らかに THE END OF LIFE」(丸善)

【その他】
・学生へのメッセージ
テキストや参考書をよく読んで,人間の生き抜く力や最期のあり方について各自の考えをまとめておきましょう.
・オフィス・アワー
1) 授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を武田研究室(看護学科棟3階)において,月曜日〜木曜日の16:00~17:00に設けます.
2) 会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は初回の講義でお知らせします.

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