数学Ⅲ
 Mathematics III
 担当教員:中川 和重(NAKAGAWA Kazushige)
 担当教員の所属:工学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報エレクトロニクス学科、機械システム工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
複素数を変数とする複素関数の微分と積分(複素関数論と呼ぶ)を中心に講義する。
複素関数の微積分は意外にも綺麗な世界が展開される。同時に、複素関数は具体的な
問題の解決に絶大な威力を発揮する。
また、その応用範囲は広く物質科学工学科では物質科学、化学工学などで使用される。

【授業の到達目標】
複素関数論の概念を理解した上で
(1) 複素数の計算ができる。
(2) 複素関数の複素微分が計算できる。
(3) コーシーの積分定理を用いて複素積分の計算ができる。
(4) コーシーの積分公式を用いた複素積分の計算ができる。
(5) 留数定理を用いた複素積分の計算ができる。
(6) 複素積分を応用して実定積分の計算ができる。

【授業概要(キーワード)】
複素関数、複素微分、正則関数、コーシー・リーマンの方程式、複素積分、コーシーの積分定理・公式、ローラン展開、留数定理

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この科目は学習・教育目標の (情報・エレクトロニクス学科) CP1(1),DP2 に対応する。機械システム工学科の学習・教育到達目標(A)工学の基礎力,および,(F)自主的・継続的学習能力を養成する科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
基本的に板書による。必要に応じてミニットペーパー、レポートを利用する。
・日程
第 1回 複素数と複素平面
第 2回 複素数列の収束
第 3回 ベキ級数
第 4回 解析関数と初等関数
第 5回 複素関数と微分可能性
第 6回 正則関数とCauchy-Riemannの関係式
第 7回 調整
第 8回 複素関数の積分
第 9回 Cauchyの積分定理
第10回 Cauchyの積分公式
第11回 Taylor-Maclaurin展開
第12回 Laurent展開と留数
第13回 留数定理
第14回 定積分への応用
第15回 まとめ
上記を基本とするが、進度等により適宜変更する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
複素積分を理解するためには、自分で手を動かして計算することが大切です。厳密さはともかく、例題、類題含めて計算すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
前回までの授業で何を学んだかを正確に把握する。重要事項は繰り返し用いられるので、
復習をして不明な箇所が無いようにすること。また、休んだ場合はノート写させてもらうなどすること。

【成績の評価】
・基準
目標を通じて複素関数に関わる計算を主体とする問題を解くことができること。
・方法
試験(60%)、平常点(ミニットペーパー・レポート)(40%)を100点満点に換算し60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
*の本を基本に進めます。
*原 惟行,松永 秀章 共著:複素解析入門 第2版 共立出版 2014
神保 道夫 著:複素関数入門,岩波書店 2003
今吉 洋一 著:複素関数概説、サイエンス社 1997
洲之内治男,猪股清二 共著:改訂 関数論 サイエンス社 1992
L.V. アールフォルス著:複素解析,現代数学社 1982

【その他】
・学生へのメッセージ
複素関数の積分は、計算方法に慣れる必要があります。自分で手を動かして計算することが大切です。また、レポート等は必ず提出しましょう。
・オフィス・アワー
各回の授業日正午〜を受講者からの質問に答える「オフィス・アワー」とする。各回の授業終了後に質問がある旨を申し出ること。

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