【授業の目的】
高分子 (ポリマー) は単量体 (モノマー) を重合することにより得られる。重合法は多岐にわたるが、方法論や特徴により分類することができる。本講義では、高分子を合成する方法の基本的な概念について学び、それを実践するための分子レベルでの必須知識を修得する。代表的なモノマー、ポリマー、および重合法について学ぶ。重合反応 (あるいは素反応) は、有機化学で学ぶ官能基の反応に基づいており、化学反応式で表すことができる。それらに加え、高分子合成に必要な学術上の原理や理論を体系的に理解する。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は 1)高分子合成の概念を説明できる。 2)重合法を分類できる。 3)代表的な高分子とそれを合成する方法やその特徴を説明できる。 4)ビニルモノマーの重合特性や共重合性を、化学構造式と関係づけることができる。 5)リビング重合の特徴を述べることができる。
【授業概要(キーワード)】
高分子 (Polymer) は単量体 (モノマー;Monomer) を重合 (Polymerization) することにより得られる。その方法の多くは有機化学に基づいており、化学反応式で表すことができる。本講義では、代表的な重合法およびその理論・化学反応式を中心に要点を説明する。 (重合反応の分類・特徴、重縮合、重付加、付加重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、開環重合、高分子反応、多糖、タンパク質)
【科目の位置付け】
本講義は,高分子合成化学の入門という位置付けのものとしている。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任 14.海の豊かさを守ろう
【授業計画】
・授業の方法
授業の方法としては,原則として,テキストに沿って進めていく。
・日程
第1回:高分子説 高分子の定義と分類 合成高分子と生体高分子 第2回:逐次重合 重付加と重縮合の違い ポリアミド アラミド 第3回:ポリイミド ポリエステル ポリカーボネート 第4回:重縮合における反応度およびモノマー過剰比 界面重縮合 第5回:付加重合 HomolysisとHeterolysis 第6回:ラジカル重合の素反応 第7回:ラジカル重合の動力学 第8回:中間試験とまとめ 第9回:ラジカル重合の素反応(連鎖移動反応) 低密度ポリエチレン 第10回:ラジカル共重合 共重合組成式 モノマー反応性比 第11回: Fineman-Ross法 EDGとEWG Q-eの概念 第12回:イオン重合(アニオン重合 カチオン重合) 第13回:配位重合 リビング重合 第14回:先端高分子合成 第15回:期末試験とまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義に出席し、話を良く聞き、疑問点は積極的に質問すること。 なお、授業は全て出席することが望ましい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストに目を通しておくことが望ましい(毎週12ページ程度進む)。 主にモノマーの化学構造式および重合の理論・化学反応式を覚える。
【成績の評価】
・基準
成績の評価の基準としては,総合評価点60点以上を合格とする。
・方法
中間試験と期末試験の平均を総合評価点とし、60点以上を合格とする。出席も考慮する。
【テキスト・参考書】
高分子化学第5版、村橋俊介、小高忠男、蒲池幹治、則末尚志 編、共立出版 ¥3900 高分子合成化学(改訂版)井上祥平 著 裳華房 ¥2800
【その他】
・学生へのメッセージ
1)高分子合成をはじめて学ぶ学生に理解できる講義を行います。 2)1年後期の有機化学基礎、2年前期の有機化学I、以上などで学んだ有機化学の基本的な概念の復習も兼ねます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は鳴海研究室(2号館2階201室において、原則、木曜日の16:00~17:00としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前にメールで予約をお願いします。連絡先は、学科のホームページを参照下さい。
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