【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎〔CP2〕に対応しています. 材料のもつ様々な特性を,物理・化学的な本質から理解する素養を身につける.材料のもつ様々な巨視的(マクロな)現象や性質を,材料の微視的(ミクロな)構成要素(例えば原子・分子)の挙動から理解する.機械材料としてよく用いられる金属材料を,原子や結晶粒の集合体として捉え,材料が示す特性や挙動を微視構造との関連において理解する.単に工業材料の種類や特徴を憶えるのではなく,その特性の発現原理を理解することによって,新材料の開発にも役立つ基礎知識を習得することを目的とする.
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎〔DP5〕に対応しています. 材料の本質を正しく理解するために,以下の目標をもって学習する. (1) 材料の巨視的な特性を,原子レベルの微視的な観点から考え,説明できる. (2) 主な結晶構造の特徴を理解し,表記方法を習得して,説明できる. (3) 結晶材料中に存在する欠陥の種類を学び,材料の変形および力学特性への影響を理解し,説明できる. (4) 合金構造や原子拡散の原理を理解し,説明できる. (5) 材料特性の本質を理解し,自主的かつ継続的に学習することで,新しい材料の特性を予測的に説明できる.
【授業概要(キーワード)】
原子・分子,結晶構造,ミラー指数,結晶欠陥,転位,拡散
【科目の位置付け】
この科目は,機械システム工学科の学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎〔CP2〕、〔DP5〕を養成する科目である.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
主に指定したテキスト等に沿って、90分の講義を計15回行う.ただし,状況に応じてオンライン講義(ウェブクラス)を併用することがある.
・日程
第1週 材料科学と工学 第2-4週 原子間力と原子間ポテンシャル 第5-7週 結晶構造の種類と表記方法 第8週 ここまでのまとめと中間試験 第9-12週 結晶欠陥の種類と材料特性への影響 第13-14週 原子拡散 第15週 まとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を聴きながら自分のノートを作成し,知識を深める.単に黒板を写すだけでなく,話の内容を理解し,考え方を自分のものとする.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・予習:前回の講義を受け,次の講義で説明されるテキストの該当箇所に目を通しておくこと. ・復習:講義内容について,テキストや参考書を読んで復習し,理解できない点は図書やインターネットを用いて調べ,それでもわからない点は友人や教員に質問し,解決すること.
【成績の評価】
・基準
材料科学に関する概念や用語を正しく理解ていることを合格基準とする.
・方法
筆記試験(中間試験と期末試験)の結果を80%,演習課題の提出状況などを20%として評価する.ただし,状況に応じて筆記試験はレポート形式にや,オンライン実施とすることがある.
【テキスト・参考書】
テキスト:W.D.キャリスター著,入戸野 修 監訳,「材料の科学と工学 [1] 材料の微細構造」,培風館. 参考書:W.D.キャリスター著,入戸野 修 監訳,「材料の科学と工学 [2] 金属材料の力学的性質」,培風館.
【その他】
・学生へのメッセージ
単に暗記するのではなく,なぜそうなるかを理解するように心がけること.
・オフィス・アワー
水曜日16:00-17:00,工学部6号館3階 6-303室
|