【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP2〕に対応しています. 「ものづくり」の原点でもある機械工作に必要な基礎的な知識と考え方を身につける.高精度・微細・高速・省人という高度化する要求を実現するための最適で環境にやさしい加工法を提案できる機械技術者であることを目指す.講義では,変形加工と除去加工の両者の違いや,材料の特性に応じて加工法を使い分けることにも注目しながら,高精度・高能率・低環境負荷加工についても学ぶ.
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP4〕に対応しています. (1) 鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工、エネルギー加工の特徴と簡単な理論が説明できること。(C)[DP4]および(F)[DP9] 【知識・理解】 (2) 熱間加工と冷間加工の特徴および両者の加工精度の違いが説明できること。(C)[DP4]および(F)[DP9] 【知識・理解】 (3) 機械加工おける熱処理の重要性を説明できること。(C)[DP4], (F)[DP9] 全体を通して、機械加工に関連した問題の解決が図れる能力を身につける。(C)[DP4]および(F)[DP9] 【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
加工法,機械工作,材料の強度と許容応力,弾性と塑性,生産・管理システム 工業材料の性質と機能,材料試験法,機械設計,生産管理,資源・環境管理,加工機械,工作機械,素材製造,塑性加工,鍛造法,曲げ,トライボロジー,破壊,溶接/接合,切削法,精密加工,マイクロ/ナノ加工,表面加工,加工と材料の力学,環境適合加工法
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標のうち、(C)機械工学の応用力〔CP2〕,〔DP4〕を目標とする科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
初回のガイダンスと期末テスト以外は、オンデマンド式の講義と演習をおこなう。理解を深めるためにWebClassから課題を出すので回答すること。
・日程
第1週 機械工作法とは [予習] 機械工作実習で行った工作機械の名称,機能,適用分野などを調べておくこと. [復習] 課題を行い,授業内容の確認・理解を行い,レポートとして提出すること. 第2週 機械加工から見た工業材料 [予習] 工業材料にはどのような種類があり,それらが持つ特徴などを調べておくこと. [復習] 機械加工の立場から、純鉄,炭素鋼,鋳鉄,合金鋼、銅合金、アルミニウム合金、プラスチック の特徴を理解し,レポートとして提出すること. 第3週 鋳造 [予習] 鋳造法の種類と特徴および溶湯が凝固する際に起こる現象などを調べておくこと. [復習] 成型法としての各種鋳造法の特徴を理解するとともに,溶湯の凝固過程と鋳造欠陥の関係を整理し,レポートとして提出すること. 第4週 塑性加工 [予習] 材料の弾性・塑性および塑性加工の種類と特徴などを調べておくこと. [復習] 成型法としての各種塑性加工の特徴を理解するとともに,実際にどのような製品が工業的に作られているかを,レポートとして提出すること. 第5週 冷間加工と熱間加工 [予習] 冷間加工,熱間加工および温間加工とは何かについて調べておくこと. [復習] 圧延,鍛造,押し出し,引き抜きにおける冷間加工および熱間加工の特徴を理解するとともに,実際にどのような製品が工業的に作られているかを,レポートとして提出すること. 第6週 加工硬化と熱処理 [予習] 加工硬化とは何か,熱処理とは何かについて調べておくこと. [復習] 加工の強さと材料強度の関係を理解するとともに,熱処理の方法と材料特性の変化について,レポートとして提出すること. 第7週 中間試験 第1週から第6週の学習内容について中間試験を行う(50点満点) 第8週 溶接 [予習] 融接,圧接,ろう接とは何か,および,アーク溶接の原理と特徴について調べておくこと. [復習] 接合法としての各種溶接法の特徴を理解するとともに,実際にどのような製品が工業的に作られているかを,レポートとして提出すること. 第9週 溶接部の強度 [予習] 融接において,溶接部の組織変化と強度の関係について調べておくこと. [復習] 溶接部・ボンド部・熱影響部・母材における組織変化と強度の関係を理解するとともに,溶接強さの算出法について,レポートとして提出すること. 第10週 切削加工と切削工具 [予習] 切削加工および切削工具の種類および特徴について調べておくこと [復習] 成型法としての各種切削加工法の特徴を理解するとともに,なぜ切削工具には多くの種類があるのかを,レポートとして提出すること. 第11週 切削の力学および切りくず生成 [予習] せん断変形の幾何表現および切りくずの4形態について調べておくこと. [復習] 切りくずの生成機構を理解するとともに,簡単な切削モデルにおける切削力の算出法について,レポートとして提出すること. 第12週 研削加工 [予習] 研削加工,研削砥石の種類と特徴および砥石のツルーング・ドレッシングについて調べておくこと. [復習] 自由研削と機械研削の違い,砥石の使い分け,砥石の切れ刃と結合剤の役割,固定砥粒と遊離砥粒の違いについて,レポートとして提出すること. 第13週 エネルギー加工 [予習] 放電加工およびレーザー加工の種類と特徴について調べておくこと. [復習] 放電加工およびレーザー加工の原理および適用分野,また,これらが従来の加工法と比べて極めて優れている点について,レポートとして提出すること. 第14週 加工の計測技術 [予習] 加工がうまくできたかどうかを評価するのに必要となる,寸法測定,形状測定,粗さ測定の方法について調べておくこと. [復習] 寸法公差,形状測定法,粗さ測定法について理解し,レポートとして提出すること. 第15週 期末試験とまとめ 第8週から第14週の学習内容について期末試験を行う(50点満点)とともに第1週から第14週までの総括を行う.
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・受講のあり方 1.初回ガイダンスで受講の進め方を説明します。必ず参加して下さい。 2.オンデマンド型の講義を行います。各自のペースで受講して下さい。 3.各種連絡はWebClassを通じて行うので、適宜見るようにして下さい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・予習のあり方 シラバス記載の予習項目について調べた結果を予習ノートなどにまとめておくこと ・復習のあり方 毎回課す課題を各自が行い,結果をレポートとしてまとめること.
【成績の評価】
・基準
評価内容として【授業概要(目標)】の目標1に関する項目70%,目標2に関する項目15%,目標3に関する項目15%. この科目の満点は100点であり,単位認定は60点以上とする. 授業概要(目標)」に挙げた項目に対する評価の比率は機械システム工学科の学習・教育目標Gに関する項目が50%,学習・教育目標Jに関する項目が50%である.
・方法
課題提出(40点),期末テスト(60点)の合計100点満点で60点以上を合格とします。 課題および期末試験の主たる内容は,機械システム工学科の学習・教育目標(G)機械工学の基礎力,(J)システム設計工学分野の修得である.
【テキスト・参考書】
基礎機械工作編集委員会 編,基礎機械工作,産業図書,1987,ISBN4-7828-4064-0,\2,200(+税).ほか,必要に応じて資料を配布する.
小林輝夫 著,機械工作入門,理工学社,1991,ISBN4-8445-2275-2,\2,400(+税)、山口克彦ほか,材料加工プロセス -ものづくりの基礎-,共立出版,2000,ISBN4-320-08131-5,\2,600(+税)
【その他】
・学生へのメッセージ
「機械工作実習」を修得していることが望ましい. なお、講義で理解できなかった点や、疑問に思ったことは積極的に質問にくること。
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:00から17:00 工学部6号館3階3-316室
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