流体工学
 Fluid Mechanics
 担当教員:李鹿 輝 (RINOSHIKA Akira)
 担当教員の所属:理工学研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています.
簡単な粘性流体の流れや境界層流れから、各種物体まわりの流れと働く抵抗、流れの力学的相似則などの基礎について論じ、それらの実際問題への応用について演習問題等を交えながら講究する。
前期の「基礎流体力学」に引き続き、以下の項目の「流体の力学」について講義を行うが、数式に過度に頼ることを避け、現象の説明に重点をおいて、流れの物理的・直感的理解の助けとなるような講義を心掛ける。毎週演習を行う。

【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP6〕に対応しています.
(1)連続の式、ナビエ・ストークスの式が理解でき、単純な粘性流体の流れや境界層流れを解析できること.
(2)物体のまわりの流れが解析でき、物体に働く力(抗力と揚力)が予測できること.
(3)流れの力学的相似則を理解でき、模型実験等に応用できること.

【授業概要(キーワード)】
質量と運動量の保存、エネルギー保存則(ベルヌーイの式)、各種流れの抵抗、層流と乱流、粘性流体の力学、翼と翼列、流れの計測、相似則

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力[CP3],[DP6]を養成する科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
主にテキストに沿った講義(90分×15回)を行う。さらにテキスト章末問題などの自己学習用の課題レポート(30分程度×毎回)によって、講義内容の理解を深め、応用力を高められるようにする。
・日程
第1―4回 流体の運動方程式と二次元の定常な層流(二次元定常流れの連続の式、粘性法則、ナビエ・ストークスの式、ハーゲン・ポアズイユ流れ、二次元ポアズイユ流れなど)
第4-6回 乱流の特徴と円管内の乱流(乱流の特徴、レイノルズ応力、プラントルの混合距離理論など)
第7-9回 境界層(境界層の概念 境界層の概要 境界層の厚さなど)
第10-12回 物体まわりの流れ(抗力と揚力、物体の抗力と後流の関係、二次元物体の抗力など)
第13-14回 次元解析と流れの相似則(単位と次元、次元解析、模型と実物の相似条件など)
第15回 期末試験および総括

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義に出席し、講義は常に何が大事なのかを考えながら集中して聴き、分からない部分があったら質問する。私語、飲食、講義中の出入り、そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただき、欠席扱いとする。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
前回講義講義された課題を行い、講義開始時に提出する。次回の講義テーマについて、教科書を読み、何が分かって何が分からないのかを念頭に置いて講義に望むこと。
自分なりに見やすくノートを整理し、疑問点があったら調べたり質問をしたりして分からないままにしておかないこと。

【成績の評価】
・基準
筆記試験を70点,演習および毎回の出席チェックを兼ねるレポートを30点とする。この講義の合格ラインは60点とする。授業概要(到達目標)の各項目の評価比率は,(1)40%,(2)40%,(3)15%,(4)5%とする。
・方法
期末筆記試験および演習、レポートの結果(出席を含む)を総合して成績を決定する。期末筆記試験では,授業概要(到達目標)の各項目の達成度を評価する。課題レポートでは,主にテキスト章末問題から抜粋して課題とする。

【テキスト・参考書】
[テキスト]松尾一泰、流体の力学―水力学と粘性・完全流体力学の基礎、オーム社、2007年、本体3500円+税。
[参考書1]日本機械学会、JSMEテキストシリーズ・流体力学、丸善、2005年、1886円+税。
[参考書2]中山泰喜、改訂版・流体の力学、養賢堂、1998年、3800円+税。

【その他】
・学生へのメッセージ
実際の流れの現象をイメージでき、それを流体力学的に理解、表現できることが大切である。授業には必ず出席すること。また演習およびレポートは必ず提出こと。質問があればいつでも可能である。
(1)「基礎流体力学及び演習」を履修していること。
(2)講義受講後、教科書の演習問題を必ず自分で解くことによって理解を深めること。
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、毎週木曜日16:00-17:00、7-103教官室にて。

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