線形システム基礎
 Introduction to Linear System Analysis
 担当教員:佐藤 学(SATO Manabu)
 担当教員の所属:工学部 情報・エレクトロニクス学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気・電子通信コース  科目区分:必修(電気電子通信コース) 
【授業の目的】
本授業では,連続線形時不変システムの解析手法について講義する。これは電気電子工学に関する様々な現象を理解する上で,大切な基礎となる科目である.解析手法としてラプラス変換、フーリエ変換及び級数を紹介する。様々な種類の線形時不変システムがあるが、授業では主に電気回路網を中心課題とする。電気回路網の過渡応答解析や回路の伝達関数などについて基礎知識を習得する.
フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換などの解析手法を用いて線形システムの解析を随意に行う能力を醸成し、自主的・継続的に学習する能力を身につけ,さらに応用力や展開力を育むための基盤形成を目的とする.

【授業の到達目標】
○三角関数,指数関数の基本演算ができる.【技能】
○フーリエ級数・フーリエ変換・ラプラス変換を用いて線形システムの過渡応答解析ができる.【技能】
○線形システムの伝達関数を求めることができる.【技能】
○伝達関数を用いて線形システムの安定性を解析できる.【技能】
○以上,解析・設計に必要な基礎的内容について知識を習得して理解することができる.【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
フーリエ級数、フーリエ変換、フーリエ解析、ラプラス変換、過渡応答解析、伝達関数、線形システム

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業では一般的な線形システムの入出力関係を入力信号の性質に応じてフーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換で扱う手法を学び、これにより線形システムとみなした電気回路網の過渡応答や安定性などを解析できる能力,並びに論理的な思考力と記述力を身に付ける.(カリキュラム・ポリシーに準じる)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
授業計画で挙げられている各テーマについて原則,対面講義を行い、要所で演習やレポートを課し,授業の中でまとめと共に中間試験,期末試験を行う.状況によって遠隔授業の場合も有るが,その都度,事前に連絡する。
・日程
この授業は,原則として毎週水曜日3・4校時,以下の内容で行う.
1.講義の進め方,自主的・継続的な学習の仕方,線形時不変システムの概要
2.基礎数学復習 三角関数,複素数
3.基礎数学復習 微分、積分
4. フーリエ級数展開定義、代表的関数の展開、対称関数のフーリエ級数展開
5.複素フーリエ級数
6.フーリエ変換定義、スベクトル、代表的関数の変換
7.フーリエ変換の性質、特異関数のフーリエ変換
8.前半まとめ、中間試験
9.ラプラス変換定義
10.ラプラス変換の基本的性質、代表的関数の変換
11.ラプラス逆変換
12.ラプラス変換を用いた線形システムの過渡応答解析(1次)、電気回路方程式への応用
13.ラプラス変換を用いた線形システムの過渡応答解析(2次)、電気回路方程式への応用
14.伝達関数定義、安定性判別
15.全体まとめ、期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業中は,原理・例題の説明は注意して聞くこと,分からなければ質問しても良い.また,授業中に出題される演習問題をなるべく時間中に解くよう努力するようにすること.間に合わなければ、必ず復習し、理解しておくこと.毎週の宿題も確実に自分で解いて提出のこと.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストで前週に学習した内容を見直し、関連する演習や宿題に取り組むこと.時間の目安は,週3-4時間である.
復習時においては,わからないところをしっかり時間を掛けて取り組むこと、わからないときは勇気をもって高校の数学までさかのぼって学習しなおすことをお薦めする.基礎が非常に大切である.時間の余裕があれば,テキストの先をざっと見通し概要を把握しておくこと.

【成績の評価】
・基準
当学科のディプロマポリシーに沿って,
○三角関数,指数関数の基本演算・フーリエ級数・フーリエ変換・ラプラス変換を用いて線形システムの過渡応答解析が行えることを合格の評価基準とする。
○線形システムの伝達関数を求めることができ,その安定性を評価できることを合格の評価基準とする。
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験を行い,以下の基準を満足したものを合格とする。原則として、中間試験40点、期末試験40点、課題レポート20点の合計100点満点で,60点以上を合格とする.試験の代わりに中間・期末レポート課題を課す場合は,事前に連絡する.

【テキスト・参考書】
「システム解析のためのフーリエ・ラプラス変換の基礎」楊、コロナ社、ISBN978-4-339-06095、2400円

【その他】
・学生へのメッセージ
講義中は演習を多く行う予定なので、講義中にこれを通じて習得に努めると共に、予習、復習では手を十分動かして修得すること
・オフィス・アワー
場所:9号館8F、9-803室 時間帯は随時可能,メールでの質問も受け付ける。
授業後の質問も大いに受け付ける

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