離散数学
 Discrete Mathematics
 担当教員:齋藤 歩 (SAITOH Ayumu)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)情報・エレクトロニクス分野
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科(情報・知能コース)  科目区分:専門教育科目:必修 
【授業の目的】
コンピュータ・サイエンスを本格的に修得するためには,集合論,命題論理,グラフ理論,初等整数論,代数系理論の理解が不可欠である.本講義では,集合論,命題論理,初等整数論と云った離散数学への入門的講義を行う.
『専門数学I』で学習した情報システム設計上の基礎である記号数学の初歩に引き続き,情報科学・情報工学に関連する分野を理解するために必要な,数学的基盤を得るための基礎的な事項を学習する.具体的には,記号論理入門(命題論理)及び整数論について講義する.

【授業の到達目標】
(a) 論理演算と集合演算を正確に行うことができること.
(b) グラフ理論の基本性質を説明できること.
(c) 整数の基本性質を説明できること.
(d) 1次不定方程式や合同方程式の一般解が求められること.
特に,(a)を達成することは単位を取得するための最低限の条件である.

【授業概要(キーワード)】
有限集合論,記号論理(命題論理),グラフ理論,整数の基本的性質,1次不定方程式,1次合同方程式

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
本講義の基礎となる科目:専門数学I(情報・知能)
本講義を基礎とする科目:オートマトンと言語理論,暗号と情報セキュリティ

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
90分間の授業時間の内,約60分間を講義に費やし,残りの約30分間で具体的な問題演習またはミニテストを行う.
・日程
第1ー4週 集合と命題
1.集合・関数・命題
2.論理演算,証明の方法
3.集合と関係:順序関係,同値関係
4.集合と計数
第5ー8週 グラフ理論
1.グラフの基本概念
2.木とその基本性質
3.グラフ理論の応用
第9ー12週 整数論の基礎
1.整数の基本的性質
2.1次不定方程式
3.1次合同式
第13ー14週 ミニテストの解説
第15週 期末試験とまとめ
※上記スケジュールは予定であり,変更される可能性があります.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語,飲食等,他の受講生に迷惑となる行為を行った場合は,受講を中止させ,ミニテストを受験させない.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(a)参考書の該当箇所を前もって予習しておくことが望ましい.
(b)スライド・ファイルをWebClassから入手し,授業時に持参することを勧める.
(c)定義をしっかりと身につけること.

【成績の評価】
・基準
到達目標(a),(b),(c)の達成度を評価する.特に,論理演算と集合演算を正確に理解し,応用できることが単位取得の必要条件である.
・方法
ミニテスト(12回程度の予定)(50点),期末試験(50点)の合計得点を100点満点で判定する.単位認定は60点以上とする.

【テキスト・参考書】
テキスト:特に指定しない
参考書 :黒沢馨著:『工学のための離散数学』,(数理工学社,2008)
守屋悦朗著:『コンピュータサイエンスのための離散数学』,(サイエンス社,1992)
野崎昭弘著:『コンピュータサイエンス大学講座 離散系の数学』,(近代科学社,1980)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義内容は高校生程度の数学力があれば十分理解できるが,論理展開を十分に把握するため,毎回必ず講義に出席することが望ましい.
・オフィス・アワー
質問・相談等がある場合には、月曜日16:00~17:00(7-319室)で対応。

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