【授業の目的】
プラスチックや合成繊維に代表される有機工業製品は,人類の生活を豊かにした.また,農薬は食糧問題を解決し,70億もの人口を支えている.これらすべての有機工業化学製品は,どのようにして作られているのだろう? 本講義では,普段の生活において身近にある有機工業製品に焦点を絞り,分子構造,性能,工業的製法などに関して講義を行う. 石油精製,石油化学基礎原料の製造,プラスチック,合成繊維,染料,油脂,界面活性剤,香料,農薬などの有機工業製品の工業的製法およびその機能について理解する.
【授業の到達目標】
有機化学系の専門科目として,「有機化学製品」という点に力を入れた講義であり,以下の点を満たすことを学習目標とする. (a)主要な石油製品である「ガソリン」の成分およびその工業的製法に関して説明できる. (b)プラスチックおよび合成繊維について,代表的な化学構造と用途を説明できる. (c)染料,油脂,界面活性剤,香料について,その用途と基本的な化学構造を説明できる. (d)代表的な農薬について,その作用機構と化学構造を説明できる.
【授業概要(キーワード)】
石油精製,石油化学基礎原料の製造,プラスチック,合成繊維,染料,油脂,界面活性剤,香料,農薬
【科目の位置付け】
本科目の基礎となる科目:有機化学I,II, III 本科目は,主に教育目標B(専門知識の習得)に対応している.
【授業計画】
・授業の方法
講義形式で授業を行い,講義内容は,下記の日程に従う.各講義の理解度を確かめるために,レポートを課すことがある.
・日程
以下の項目について,1~2回程度の講義を行う. 1. 石油精製 2. 石油化学工業 3. 石炭化学工業 4. 染料 5. 油脂 6. 界面活性剤 7. 塗料 8. 香料 9. 農薬
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
受講者は講義に集中し,各項目を講義中に70%以上理解すること.理解できない点は,講義中,講義終了後,または,オフィスアワーの時間を利用し理解を深めること.講義中,私語,喫煙,他の学生に迷惑となる行為を行った受講者は,直ちに退席してもらう.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
特別に予習をする必要はない. 復習は講義ノートを整理し,講義に関する理解を深めておくのが望ましい.
【成績の評価】
・基準
60点以上:目標の(a)~(d)を満たすこと. 70点以上:60点以上の基準に加え,(a)~(d)の内どれか1つに秀でていること. 80点以上:70点以上の基準に加え,(a)~(d)の内どれか2つに秀でていること. 90点以上:80点以上の基準に加え,(a)~(d)の内どれか3つに秀でていること.
・方法
中間試験(100点)、および、期末試験(100点)を行い合計200点満点で120点以上を合格とする。よほど特別な理由がない限り,レポート,追試,出席による加点は行わない。
【テキスト・参考書】
テキスト:松田治和,野村正勝,池田功,馬場章夫,野村良紀,「有機工業化学」,丸善(株),2,800円 参考書:戸嶋直樹ら,「有機工業化学」,朝倉書店,3,300円
【その他】
・学生へのメッセージ
「化学・バイオ化学工学基礎II」,「有機化学I,II,」を履修して,基礎的な有機化学に関する知識を理解していることが望ましい.講義室が大きく空調が効かない場合が多いので,寒さ対策をして風邪などに対処すること。
・オフィス・アワー
毎週月曜日16:00~17:00, 相談受付場所:工学部3号館,3-1301号室。
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