高分子計算科学
 Numerical Recipes for Macromolecular Science
 担当教員:香田 智則(KODA Tomonori)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修(光・電子材料、物性工学)、選択(合成化学) 
【授業の目的】
高分子の物性を研究する上で,計算機シミュレーションは一つの重要な分野である.この授業では,熱力学や統計力学など,高分子の物性を記述する学問を計算機の上で展開するための基礎を学ぶ.
数学や物理学で学ぶ理論を工学に応用する際には,解析的に解が得られる場合は限られており,多くの場合に,計算機で数値的に解を求めることになる.その場合には,市販のシミュレーションソフトや計算ソフトを利用するか,自分でプログラミングしてソフトウェアを作ることになる.本講義は,プログラミングの能力をそういった場面で応用できるようにするためのものである.

【授業の到達目標】
・計算機のプログラムを自分で作ることができるようになること。
・高分子の振る舞いを記述する理論の大枠を理解してプログラムに生かすことができること。
・数値解析と計算機シミュレーションの楽しさを知ってもらうこと。
以上が本講義の目標である。

【授業概要(キーワード)】
計算機を用いて,シミュレーションによって高分子が形成する構造を研究するには,プログラミングと,熱力学,統計力学の知識が必要である.分子シミュレーションをする上では,ボルツマン因子という概念も,大きな役割を果たす.

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
本科目は、熱・統計力学の知識を応用する実力をつけるための科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
対面で実施する。プログラミングを実際に行うために、情報処理実習室でそれぞれの学生さんが計算機端末を使いながら講義を受ける。
・日程
・C言語によるプログラミング
・分子シミュレーション
以上、2つのテーマを中心に講義を行う。
第1週
・UNIXの基本.
第2週~第10週
・C言語の基本.
・変数について.
・プログラムの流れを制御する.
・関数.
・ファイルの入出力.
第11週~第15週
・高分子のモデルについて.
・プログラミングの応用.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
C言語によるプログラミングについて書かれたテキストを用いる.この講義は,C言語の講義ではなく,C言語を目的を持って用いるための講義である.プログラムの一行一行の意味・役割をしっかりと理解することが大切である.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習に際しては,配布するプリントに従い,次の講義で行う内容を確認する.可能であれば実際に計算機に向かって,作業内容を実施してみると良い.必要に応じて,高分子物理学,統計物理学,熱力学の教科書も参考にする.
配布するプリントには,計算機の上で実行するプログラムも含まれている.復習の際に,プログラムの一行一行が何を意味し,どんな働きをするのかを理解した上で,プログラムを書き換え,動作の変化を確認してみると学習効果が上がる.

【成績の評価】
・基準
・プログラムを自分で書くことができること.
・プログラムの基礎となる理論を理解していること.
・方法
成績は, 授業参加点, 試験(成績評価のための課題)を総合して評価する. 授業参加点10点, 試験90点の割合とし, 60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
「C言語によるプログラミング 基礎編」 第3版 内田 智史 監修 システム計画研究所 編、オーム社

【その他】
・学生へのメッセージ
コンピューター上で実際にプログラムを動かしながら、C言語のプログラミングを学びます.プログラミングを楽しみながら高分子の理解を深められると良いです.
・オフィス・アワー
質問などは,オフィスアワー(金曜日 16:00~17:00)でも受け付けます.

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