【授業の目的】
3年次までの無機化学および分析化学系の講義で学習してきた内容を網羅的に演習するとともに,卒業研究でこれらの知識を活かせるような実践的な演習を実施する.
【授業の到達目標】
(1)元素,無機化合物および無機固体の性質と反応を正しく記述できる.【知識・理解】 (2)無機化合物が命名でき,錯体の配位子置換反応や電子移動反応を予測できる.【知識・理解】 (3)無機化合物の状態,性質を理解するための実験方法を選択できる.【知識・理解】 (4)無機化合物に対する評価結果を解析できる.【知識・理解】【技能】 (5)結晶構造の特徴を正しく記述できる.【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
無機化学(原子・結合・原子軌道・分子軌道・分析化学・錯体・結晶構造)
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
この演習は、化学・バイオ工学科のディプロマ・ポリシー3およびカリキュラム・ポリシー1(2)(3)に該当する選択必修科目である.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
本演習は15回からなる.各回ごとに設定された課題に沿った演習を実施する.演習の具体的な進め方は原則前半45分間で問題解答,後半45分間で模範的な解答についての解説を行う.詳細はガイダンス時に知らせる.
・日程
次の内容に沿った演習を行う. 1.ガイダンス,無機化合物の命名 2.原子の構造と電子配置,化学結合と分子軌道 3.酸と塩基,酸化還元を伴う化学反応式 4.17,16,15族元素とその化合物の構造・性質 5.14,13,12,11族元素とその化合物の構造・性質,水素と希ガス 6.固体の結晶構造と熱分析 7.錯体の命名法と異性体 8.錯体の磁性と色 9.錯体の安定度とそれを支配する因子 10.配位子置換反応と電子移動反応 11.有機金属錯体の構造と性質 12.実験器具・薬品の取扱い 13.分析試料の前処理に関する基礎知識① 酸・アルカリ試薬による金属・無機化合物の溶解 14.分析試料の前処理に関する基礎知識② 試料の取扱い(ろ過・分解・分離・前濃縮) 15.分析に用いる基礎計算,全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
原則対面形式で講義し,可能な範囲でオンライン配信も行う.対面で実施できないやむを得ない理由がある場合には,リアルタイム遠隔形式またはオンデマンド遠隔形式のみで講義することもある. 教室では私語,飲食,喫煙,携帯電話のほか,他の受講生の迷惑となる行為を行う者には受講を許可しないことがある. ※教科書や関連の参考書は毎回持参すること.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
指定された課題をベースにして教科書や参考書等を調査し,わからない部分を予めまとめておくことが望ましい.テーマによって予習課題が課せられた場合は次の演習時間までに実施しておくこと. 定期的に習熟度を確認するテストを実施する.演習で直接取り上げた課題だけではなく,それを中心に関連する事柄についても自主的に復習しておくこと.
【成績の評価】
・基準
各回の演習課題の内容を十分に理解し,以下に示す①~③の分野ごとに設定された目標を達成することが合格の基準である.
・方法
①無機化学基礎・無機化学I分野 33点(元素・無機化合物および無機固体の性質と反応、無機化合物の命名、結晶構造) ②無機化学II分野 33点(錯体の命名,錯体の電子状態,錯体の配位子置換反応・電子移動反応の予測,有機金属錯体の構造) ③分析化学分野 34点(無機化合物の状態・性質を理解するための実験方法の選択と結果の解析) とし,総合で60点以上を合格とする. 実施形態に応じて,提出課題,確認テストまたは毎回の小テストで評価する.
【テキスト・参考書】
・理工系基礎レクチャー 無機化学 鵜沼 英郎/尾形 健明 著 ・分析化学の基礎 木村優/中島理一郎 著
【その他】
・学生へのメッセージ
この演習を履修する際は,化学・バイオ工学基礎Ⅰ,無機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学,物理化学Ⅰを修得していること.また,マテリアル化学を履修していることが望ましい.
・オフィス・アワー
火曜日16:00~17:00, 3号館3-3302号室 上記以外の曜日や時間帯でも,事前に相談頂ければ対応可能です.メールやWebClassのメッセージ機能も活用してください.
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