分離プロセス工学
 Separation Process Engineering
 担当教員:門叶 秀樹 (TOKANAI Hideki)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):石油精製販売企業の運転部門および運転管理部門で勤務経験があり,運転部門では精製分離装置などの運転を,また運転管理部門ではプラントの工程管理や最適運転条件の検討などを経験した。その経験を活かして,分離技術に関する基礎事項と分離操作における物質・エネルギー収支の計算法を講義する。
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
物質の分離・精製は,プロセス産業における原料から製品までのハンドリングにおいて重要な工程であり,製品の機能(品質,環境性)や価格(エネルギー)をも左右する。混合物の分離は,エントロピーの減少過程であるため自発的には起こらずに,外部からのエネルギーが必要になる。化学プロセスを設計する際に,適切な分離操作を選択し,それを最適に設計・操作出来る必要がある。ここでは,分離プロセスの設計や操作への理解を深めるために,ガス吸収,蒸留,吸着,乾燥,調湿,抽出,膜分離に焦点をあて基礎的な知識を得ること目的とする。

【授業の到達目標】
この分離プロセス工学を履修した学生は,
1)様々な分離操作を把握できる。【知識・理解,技能】
2)相平衡を用いた分離操作を理解するができる。【知識・理解,技能】
3)分離操作における物質・エネルギー収支を計算できる。【知識・理解,技能】
4)蒸留,吸収,吸着,乾燥,調湿,抽出,膜分離について討議することができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
拡散分離,物質移動,平衡,収支

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,多様な社会のニーズに対応できる柔軟性を兼ね備えるとともに,生涯を通じて主体的に学び続ける動機づけとなるような,学際的な知識と技能が身につく教育を展開する。必要に応じて,基礎学力の定着を目的とした授業時間外学習を促す。(工学部 化学・バイオ工学科のカリキュラム・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
13.気候変動に具体的な対策を

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で実施し,適宜課題・演習を行う。
講義資料や演習問題はWebClassで公開予定。
・日程
この授業は原則として毎週金曜日3-4校時、以下のテーマと順序で行います。
第1週 ガイダンス(分離プロセスの概要)
第2週 ガス吸収1(基礎と原理)
第3週 ガス吸収2(操作線と吸収塔高さ)
第4週 蒸留1(基礎と原理)
第5週 蒸留2(2成分系分離)
第6週 蒸留3(蒸留塔設計)
第7週 演習(蒸留と吸収)
第8週 中間まとめ
第9週 吸着1(吸着平衡)
第10週 吸着2(吸着速度)
第11週 抽出
第12週 膜分離
第13週 乾燥・調湿
第14週 その他の分離プロセスと演習
第15週 期末試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
他の受講生に迷惑をかけないこと。
講義に出席し、話を良く聞き、疑問点は積極的に質問すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストを読み,予習することが望ましい。
テキストの例題を用いて復習することが望ましい。

【成績の評価】
・基準
最終的な成績は、期末試験で評価する。60点以上を合格とする。
・方法
最終的な成績は、期末試験で評価する。60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
ベーシック化学工学(化学同人)
化学工学演習(東京化学同人),化学工学1(岩波)

【その他】
・学生へのメッセージ
演習を課すので,電卓は,忘れずに持参するようにしてください。
・オフィス・アワー
火曜日:16:00~17:00,工学部3号館2106号室となります。

51000220-2024-05-53256