半導体工学
 Semiconductor Physics and Technology
 担当教員:奥山 澄雄(OKUYAMA Sumio)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科(電気・電子通信コース)  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
現代の電子機器を支える主要材料である半導体の基礎物性と,半導体を用いたデバイスの基礎を学びます.半導体デバイス内で何が起きているかをキャリヤの動きとししてイメージできる能力を養いIC・LSIを学ぶための基礎知識を習得します.基盤教育科目で培った知識を発展させて,電気・電子通信工学の応用力や展開力を養うための科目です.新しい産業や新技術の創造につながる能力を身につけるために,最先端の電気・電子通信工学の習得を目指します.

【授業の到達目標】
1.密度差によるキャリヤの拡散と空間電荷の発生を説明できる.【知識・理解】
2.pn接合の電流電圧特性をエネルギーバンド図を用いて説明できる.【知識・理解】
3.金属・半導体接触の電流電圧特性をエネルギーバンド図を用いて説明できる.【知識・理解】
4.バイポーラトランジスタ内のキャリヤの動きを説明できる.【知識・理解】
ことを本講義の到達目標とします.

【授業概要(キーワード)】
拡散方程式,pn接合,拡散電位,空乏層容量,逆降伏電圧,金属と半導体の接触,ダイオード,バイポーラトランジスタ,電流増幅率

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
電子物性I・II,電子物性演習を基礎とし,パワーエレクトロニクス,電気電子材料,集積回路につながる講義です.
ディプロマポリシーのうち下記の項目を担う科目です.
◎情報科学と電気・電子通信工学の基礎知識を身につけ、それらを応用する能力を身につけている。
○豊かな発想で、論理的、計画的、積極的かつ協動的に課題を解決する能力を身につけている。
△論理的な思考力と記述力、発表と討議の能力、およびコミュニケーション基礎能力を身につけている。
△諸現象の本質を捉え,その理解を通して習得し、その活用により自ら新分野を開拓する能力を身につけている。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
講義はオンラインを併用して行う.メール,WebClass,チャット等での質問および議論を推奨する.記述レポート,期末レポートを課すことがある.講義では具体的なイメージが掴めるように例を多くし、基礎が身に付くように、適宜レポートを課します.
・日程
以下の内容について扱います.進度によって若干調整する場合があります.
_1.ガイダンス,半導体の歴史_______________2.真性半導体と不純物半導体
_3.半導体のキャリア密度(状態密度と分布関数,真性半導体)_4.半導体のキャリア密度(不純物半導体)
_5.半導体の電気伝導(キャリアの運動)___________6.半導体の電気伝導(再結合,拡散方程式)
_7.pn接合(熱平衡状態)__________________8.pn接合(拡散電位,静電容量)
_9.pn接合(整流作用)__________________10.pn接合(拡散電流)
11.中間試験と解説___________________12.金属と半導体の接触
13.接合トランジスタの動作_______________14.トランジスタの等価回路とパラメータ
15.期末試験と解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語・飲食・喫煙等,他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただき、欠席扱いとします.不明な点等は講義時間内外に積極的に質問することを望みます.
なお,2単位の授業科目は90時間の学修を必要とし,そのうち約30時間分を講義で実施しますので,60時間分の予習・復習が必要です.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習をしないで講義に出席して内容がわからないのはごくごくあたりまえのことです.講義の前に必ず予習を行い,わからないところを整理しておいてください.
1.講義の内容に疑問を持ち,不明な点は次回の講義の時に質問しましょう。
2.講義終了時に課題(演習)が出た場合は、翌週その解答を提出しましょう。

【成績の評価】
・基準
科目の到達目標に記載の項目:
1.密度差によるキャリヤの拡散と空間電荷の発生を説明できる.【知識・理解】
2.pn接合の電流電圧特性をエネルギーバンド図を用いて説明できる.【知識・理解】
3.金属・半導体接触の電流電圧特性をエネルギーバンド図を用いて説明できる.【知識・理解】
4.バイポーラトランジスタ内のキャリヤの動きを説明できる.【知識・理解】
が成績評価の基準です.各項目について適切に説明,応用できることを合格の基準とします。
・方法
A.毎回の課題または宿題(全部で合計28点),B.中間試験(30点),C.期末試験(42点)
A, B, C合計で100点です.合計得点60点以上の方に対して本講義の単位を認定します.ただし、期末試験までの講義に8回以上出席した学生に対してのみ期末試験の採点を行います.全講義回数は15回であるため,期末試験を除いた14回のうち7回を欠席すると,期末試験が採点されない形になります.期末試験の得点が0点の場合,合計得点の最大値は58点であるため,単位は認定されないことに注意してください.

【テキスト・参考書】
テキスト:石田哲郎・清水東 著 「改訂 半導体素子」コロナ社. 必ず購入してください.
参考書:青木昌治 著「応用物性論」 朝倉書店.

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書のほかに随時プリント等を配布します.電子物性I,電子物性II,電子物性演習は履修していることを前提として講義を行いますで,内容を復習しておいてください.
・オフィス・アワー
工学部8号館 8-110号室にいます.オフィスアワーは月曜16時~17時です.

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