電子回路Ⅱ
 Analog Electronic Circuits II
 担当教員:横山 道央(YOKOYAMA Michio)
 担当教員の所属:工学部 情報・エレクトロニクス学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
前期の電子回路Iで学んだトランジスタ増幅回路の知識を基礎とし,応用的なアナログ回路の発展である集積基本電子回路設計に求められる「発想」を学び, 差動増幅回路,演算増幅回路,発振回路および変復調回路等について学習する。
アナログ回路の設計にあたって問題や課題を解決する専門的能力の向上のために, 複雑な回路の各部の役割を見抜く力を養う。様々な回路例を使って、それらが用いられる背景も学び、そういった技術的要請と半導体素子の電気的特性をどのように合致させていっているかを概観する。

【授業の到達目標】
(1) 負帰還増幅回路の基本から効果までを説明できる。
(2) 定電流源回路について理解し動作を説明できる。
(3) 差動増幅回路などを回路図から見出して,説明できる。
(4) 演算増幅回路を理解し,設計できる。
(5) 各種発振方式の原理を説明し, 発振条件等を示すことができる。
(6) 各種変復調回路の動作原理を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
負帰還回路,差動増幅回路,集積基本回路,演算増幅回路,発振回路,変復調回路

【科目の位置付け】
情報・エレクトロニクス分野における最先端の電気・電子通信工学分野を知識を習得するための基礎として,電子回路I等で学んだ知識を土台としてさらなる実用応用回路について原理や回路構成を学習する。新しい電子回路システムの設計技術醸成と産業創成に寄与できる教養を習得する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
テキストに添いながらも、適宜、それらの技術の背景を補足したり、これまでに習得してきた基礎(電気回路、電子物性、電子回路I、半導体工学など)、そして、現在履修中の科目(電磁波工学など)との関連も合わせて学んで行く。
・日程
1. 授業内容の概要説明,電子回路の基本
2. 負帰還増幅回路の特性
3-6. 直流電流源回路,差動増幅器,直流増幅回路,大信号増幅回路
7-9. 演算増幅回路の基礎
10-11. 演算増幅回路の応用
12-13. 発振回路の種類/発振回路の基礎,各種発振回路
14. 変復調回路
15. 最終試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
分からない点は速やかに調べたり、質問して、早めに解決すること。欠席の場合には翌週に資料を入手し復習する等で補うこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
普段から復習すること。適宜行う演習やレポートの課題に積極的に取り組み、分からない点は相談したり、質問したりすること。実力はぼんやりしていては身に付かない。

【成績の評価】
・基準
負帰還増幅回路の原理やその効果について説明できる。
定電流源回路,カレントミラー回路について動作を説明できる。
差動増幅回路のCMRRについて,説明できる。
演算増幅回路の動作を理解し,出力電圧が計算できる。
発振方式の原理を説明し, 発振条件等を示すことができる。
各種変復調回路の動作原理を説明できる。
以上の達成目標記載項目について理解しているかを評価し,基準に達した場合を合格とする。
・方法
到達目標に記載の項目について毎回の宿題提出レポート等30点,最終レポート等70点の計100点で評価する。60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
参考書等:藤井信生著「アナログ電子回路(第2版)-集積回路化時代の-」オーム社(2019),藤井信生著「アナログ電子回路の基礎」(ソフトカバー)オーム社 (2016),石田哲郎・清水東著「改訂 半導体素子」コロナ社(2016),二宮保 小浜輝彦著「学びやすいアナログ電子回路」森北出版株式会社

【その他】
・学生へのメッセージ
電子回路IIの講義は,電気回路や電子回路I,半導体工学の基礎が理解されていることを前提としているので,履修しておくことが望ましい。授業でそれらの科目の内容が使われるので、授業開始前に電気回路および電子回路, 半導体工学関連の復習をしておくこと。自信が無い所は速やかに見直しておくこと。
・オフィス・アワー
横山(yoko@yz.yamagata-u.ac.jp) 11号館703号室または8号館315号室.特に時間は設けないが必要がある場合は事前にアポイントメントをとってから直接教員研究室をたずねること

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