データ通信
 Signal and Data Transmission Theory
 担当教員:高野 勝美(TAKANO Katsumi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):民間企業において電気・電子通信機器およびシステムの研究・開発・設計・製造を行った経験がある。
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
信号伝送理論,信号の性質,伝送媒体,アナログ・ディジタル通信及び情報通信システムの基礎について学習する。
専門技術者として,情報通信における信号伝送の基礎を理解し,問題や課題を解決する専門的能力の向上を目指す。
情報通信システムの概要,信号・雑音の性質,伝送媒体,伝送回路,変調と多重化,中継増幅など,情報通信の基本と設計概念を学ぶ。

【授業の到達目標】
(1)情報通信システムの基本構成を説明できる。
(2)信号の波形,スペクトル,統計量,雑音・品質など信号の基本量及びそれらの関係を理解し解析できる。
(3)アナログ・ディジタル変復調の基本原理を理解し説明できる。
(4)フーリエ変換,ラプラス変換を用いて,信号伝送系の設計や伝送回路解析ができる。
(5)各種伝送媒体の基本的性質について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
情報通信システムの基本構成,信号の性質(波形,スペクトル,統計量,相関など),伝送線路(平衡線路,光ファイバ,無線),伝送回路,伝達関数,アナログ変調,ディジタル変調,多重化と中継。

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
社会や産業に重要な役割を果たす情報とデータの通信方式について理論的に学ぶことで,応用力や展開力を養うことができる講義である(情報・エレクトロニクス学科のカリキュラム・ポリシー)。
講義「電気回路II」,「線形システム基礎」,「信号処理」と関連のある科目である。講義「通信システム」と密接に関連した科目である。専門数学(フーリエ級数,フーリエ変換,ラプラス変換など),電気回路,システム基礎,電子回路,アナログ回路などの科目を基礎として,総合工学的な位置づけで通信工学を学ぶ。実験科目との連携により問題解決能力と計画性を一層養うことができる。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
教科書を中心に講義を進める。学習の動機付けと理解を支援し,知識の定着やスキル向上のためや,質問と回答をオンデマンドで実施するためにWebClass等を活用する。講義の理解を促進するために、ミニテスト・課題・レポートの解答・提出などを求める。必要に応じて、もし可能であれば、電気電子通信に関わるフィールドワーク等を実施する。コロナウイルス感染症に対する大学や自治体の対応状況によっては,オンライン・クラウドサービス等を活用した授業実施を行うこともある。
・日程
第1回 講義の概要,情報通信システムの基本構成
第2-5回 波形とスペクトル(フーリエ級数とフーリエ変換),信号の統計量,
相関関数,信号の性質
第6-9回 アナログ変調,ディジタル変調
第10-12回 伝送回路,伝送周波数特性,伝達関数,伝送線路
第13-15回 ,多重化と中継,期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義は出席を前提とします。全講義の70%以上出席すること。遠隔講義では,講義資料のアクセスをもって出席とみなします。
教科書や教員から提示される教材で重要と思われる箇所をノート等にまとめ内容の理解に努める。講義と教材による解説を踏まえ,必要と思うところをノートしたり教科書本文に線を引くなどして,知識の定着に努力する。教科書の例題や章末問題をしっかり解く。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書を中心に予習し専門用語を学ぶと共に,必要ならば【科目の位置づけ】に記載の関連科目の履修内容を復習して,知識の関連付けを行う。
復習は,学習時に作成したノートをもとに復習を行う。
多くの知識を総合することにより理解が深まるので,自分なりに設計法を復習しまとめて,伝送理論に対する理解を深める。

【成績の評価】
・基準
情報通信システムの基本構成,信号の性質,変復調方式,伝送線路,伝送回路,変復調などの構成と解析・設計法について,基本的な概念と用語を正しく理解し,与えられた問題・課題を解決することができることを合格の基準とします。
・方法
ミニテスト・課題・レポート50点と期末試験50点の合計100点満点で60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
教科書:鈴木 利則,通信システム工学,コロナ社,2,500円(2017)
参考書:岩橋 栄治,伝送工学概論,東海大学出版会,3,400円(1997);武部 幹,回路の応答,コロナ社,2,700円(1988);羽鳥光俊監修,わかりやすい通信工学,コロナ社,1,900円(2006)

【その他】
・学生へのメッセージ
情報通信社会の急速な発展に柔軟に対応するために,電気・電子・通信技術分野における多くの基礎的知識を総合し,システム解析や評価を行える応用能力を獲得し,継続的自主的に学習できる力をつけることが学習目標である。
(1)専門数学,電気回路,システム基礎,電子回路,アナログ回路などの科目を基礎としているので,これらの科目を履修しておくことが望ましい。(2)ラーニングマネージメントシステムWebClassを活用するので,学術情報基盤センターが発行するアカウントとパスワードを確認しておくこと。
・オフィス・アワー
WebClassメッセージ機能等を使って随時コンタクトを受け付けています。

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