知識情報処理
 Intelligent Information Processing
 担当教員:野本 弘平 (NOMOTO Kohei)
 担当教員の所属:理工学研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):総合電機メーカーにおいて,情報システムの研究・開発およびヒューマンインターフェイスの研究・評価・開発に従事し,理論だけでなく,実際の機能・性能,ユーザ行動との係りについても考慮した実務に携わってきた.
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報科学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
人間が自然に行っている判断や推論を計算機にさせようとすると,人間の思考過程そのものの考察と,それを工学的に実行するアルゴリズムの開発が必要となる.本講ではこれらの課題を,理論と方法論の観点から取り扱い,幅広い教養と深い専門知識を習得することを目的とする.

【授業の到達目標】
(a) 問題解決の状態空間表現を理解し応用できること.
(b) 探索法およびゲーム問題を理解し,αカット,βカットを実行できること.
(c) 記号論理を理解し応用できること.
(d) 遺伝的アルゴリズムを理解し,基本操作を実行できること
(e) ニューラルネットワークを理解し,基本操作を実行できること
(f) ファジィ理論を理解し,基本演算を実行できること

【授業概要(キーワード)】
問題解決,状態空間,探索,αカット,βカット,命題論理,推論,遺伝的アルゴリズム,最適化,ニューラルネットワーク,学習,ファジィ集合,ファジィ論理

【科目の位置付け】
知識情報処理の基礎となる科目:情報数学I,情報数学II,認知科学
関連科目:テキストマイニング
学習・教育目標:学生便覧参照

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
授業では,受講者への設問により時間内での理解を促す.また,適宜宿題や小テストを課し,受講者の理解を確認しながら進める.
・日程
01 問題解決の表現とモデル化(状態空間,作用素,解,探索木)
02 系統的探索(縦型探索と横型探索)
03 発見的探索(ヒューリスティクス,山登り法)
04 問題分解法(AND/ORグラフ,再帰表現,ハノイの塔)
05 ゲーム問題の表現と解法(対戦ゲーム,αカット,βカット)
06 記号論理(命題論理,推論)
07 前半のまとめと中間試験
08 遺伝的アルゴリズム(基本アルゴリズム)
09 遺伝的アルゴリズム(選択,交叉,突然変異)
10 ニューラルネットワーク(階層型ネットワークとパーセプトロン)
11 ニューラルネットワーク(相互結合型ネットワークと連想記憶)
12 ファジィ理論(多義的不確かさと概念的不確かさ,ファジィ集合)
13 ファジィ理論(ファジィ集合の演算,ファジィ論理,ファジィ推論)
14 決定木の学習
15 後半のまとめと期末試験
(以上は計画であり,受講者の理解度等を鑑みて適宜修正を加える.)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義開始時間を守ること.受講のマナーを守ること.受け身にならず主体的に勉強すること.特に,授業中の私語などの他の受講生への迷惑行為は固く禁じる.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各課題について,自分ならどうやって解決するだろうと考えながら,講義で学ぶ解決法を理解すること.
講義で取ったノートを読み返し,理解できていない部分がないか確認する.
日常の場面で,現実の問題を解決しようとしている自分の思考を客観的に観察し,講義で習ったモデルに当てはめて理解しようと努めることを推奨する.

【成績の評価】
・基準
中間試験と期末試験,宿題と演習,小テストにより,到達目標が満たされてるか否かを評価する.
・方法
中間試験40点,期末試験40点,何度かの宿題と演習,小テスト20点で合計100点.合計60点以上を合格とする.
(状況により配分を変更する場合がある.)

【テキスト・参考書】
参考書:小林一郎: 人工知能の基礎,サイエンス社 2013年.

【その他】
・学生へのメッセージ
人間の思考の素晴らしさと,それを実現しようとするアルゴリズムの面白さを味わってください.なお,受講者の理解度などに応じて講義内容・評価法等を修正する場合があります.
・オフィス・アワー
質問等がある場合は,講義の終了後に直接質問するか,WebClassのメッセージ機能を利用すること.

50302550-2024-05-53572