【授業の目的】
バイオ資源はバイオマスとして知られる生物を由来とする有機資源のことであり、環境問題を解決する再生可能資源として注目されている。本授業では、バイオテクノロジーと医用工学を広く学び、バイオ資源を活用して開発される生体材料についても講義する。本授業科目の目的は、バイオテクノロジーの基礎から応用までを理解することである。
【授業の到達目標】
バイオ資源と生体材料の現状とその役割を理解するために、バイオテクノロジーの基礎から応用までを理解するために、以下を到達目標とする。
(1)バイオテクノロジーの基盤となる細胞生物学を理解し、 細胞の働きを口頭、記述にて説明できる。 (2)遺伝、遺伝子組換えを理解し、口頭、記述にて説明できる。 (3)バイオ資源の利用と開発について理解し、口頭、記述にて説明できる。 (4)生体材料について理解し、その応用例について口頭、記述にて説明できる。
【授業概要(キーワード)】
バイオ資源、バイオマス、微生物、細胞、遺伝子、バイオテクノロジー、生体材料、医用工学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:51~75% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
細胞生物学I,細胞生物学II,感覚細胞工学、遺伝子工学,微生物学,医用細胞工学、再生医工学、生理学などの化学・バイオ工学科で開講される科目は、バイオテクノロジーを理解するために重要な科目である。受講可能である科目は関連する科目等を含め受講しておくことが望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
02.飢餓をゼロに 03.すべての人に健康と福祉を 06.安全な水とトイレを世界中に 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
7名の教員が90分の講義を担当する。各教員の専門とする分野の基礎知識から応用研究に触れ、講義する。担当教員ごとに確認のテストやレポート、発表を課す。対面での講義を基本とするが、場合によってはZoomによるオンラインで行う場合がある。WebClassを確認すること。
・日程
1. ガイダンス(授業計画説明など)・遺伝子工学技術:遺伝子組換え(黒谷) 2. 肺発生と呼吸器疾患(黒谷) 3. 細胞工学と発生工学技術:体外受精・胚培養(阿部) 4. 細胞工学と発生工学技術:生殖医療・再生医療(阿部) 5. 生体人工材料の基礎(山本) 6. 生体人工材料の設計:臓器・血液・骨(山本) 7. 感覚総論(恒成) 8. 細胞応答の測定法(恒成) 9. 発酵食品と微生物の関わり(酒類醸造,乳製品)(矢野) 10. 環境浄化(水質浄化,バイオリメディエーション)(矢野) 11. 細胞培養技術(ガジィ) 12. 幹細胞の分化制御と増殖因子(ガジィ) 13. RNAの転写後制御(ガリポン) 14. 代謝のしくみと生活習慣病(佐藤) 15. 医工学からみる代謝(佐藤)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)ガイダンス、および各担当教員が指定するテキストや資料の重要な箇所には線を引くなどして活用ください。 2)授業で示されるパワーポイントを参考に講義内容を筆記するなどして内容の理解に努めてください。 3)私語は厳禁です。そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、退室していただき、欠席扱いとします。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目は、複数の教員で担当されますので、各担当の教員がガイダンス時や講義中に課題を課します。単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習などの自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下の通りです。 約90分/週(注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を 必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。本科目は、2単位です。 2) 各回の授業において、課されたレポートはA4サイズのレポート用紙を使用し、表紙(担当科目名、講義名、担当教員名、課題名、学籍番号、氏名)をつけ、課題に沿って提出できるように、毎回,しっかり準備してください。レポート課題の提出に向けて、必要な資料や文献を読み、レポート内に引用した文献や資料の情報を記載してください。 3 授業の宿題として指定された問題は必ず提出するとともに、テキストや参考資料や文献に目を通して、内容の適切な理解に努めてください。 4) 与えられた課題を理解できるよう、図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い、自分の考えをまとめておくことを推奨します。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示したバイオテクノロジーの基盤となる細胞生物学を理解し、細胞の働き、遺伝、遺伝子組換え、バイオ資源の利用と開発、生体材料について理解し、その応用例についてについて適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
担当教員から課された課題に対し、担当教員が100点満点で評価します。最終的に100点に換算(平均)して評価します。この授業の合格ラインは60点です。
【テキスト・参考書】
細胞生物学I,細胞生物学II,感覚細胞工学、遺伝子工学,微生物学,医用細胞工学、再生医工学、生理学のシラバスで紹介されているテキストや参考書の勉強を推奨します。参考書を以下に紹介します。
Bruce Albertsら著、中村桂子ら訳「Essential 細胞生物学 原書第5版」(2021);Essential 細胞生物学 原書第5版【電子版】」(2021);Bruce Albertsら著、中村桂子ら訳「細胞の分子生物学 第6版」ニュートンプレス(2017);杉 春夫「神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流」講談社ブルーバックス(2015);Mark Bearら著、加藤宏司ら訳「神経科学 -脳の探求-」西村書店(2007);坂本順司著「理工系のための生物学」裳華房(2009);松村幹朗・岡田隆夫 著「人体生理学ノート」金芳堂; 赤池敏広 著生体機能材料学 ー人工臓器・組織工学・再生医療の基礎ー; 野島 博著、東京化学同人遺伝子工学―基礎から応用まで―第1版;村尾澤夫・荒井基夫共編『応用微生物学 改訂版』培風館
【その他】
・学生へのメッセージ
生物分野を専門に学んでいない学生にも理解できるように分かりやすい講義を心掛けますが、事前学修が重要になります。講義内容について理解できない点は、適宜、ご質問ください。
・オフィス・アワー
ガイダンスや各講義で確認ください。 阿部:質問等がある場合は、授業終了後に直接問い合わせるようにしてください。 山本:特に時間は設けませんが、必要があればアポイントを取って、直接たずねてください。 黒谷:質問等がある場合は、授業終了後に直接問い合わせるようにしてください。 恒成:授業時以外で質問等がある場合は、月曜16~17時 9号館7階9-701まで。 矢野:火曜日17:00~18:00、工学部3号館2102号室。 カジィ:特に時間は設けませんが、必要があればアポイントを取って、直接たずねてください。 佐藤:月曜日 16:00~17:00、工学部9号館808号室。
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