先端工業材料
 Advanced Materials for Engineering
 担当教員:古川 英光()
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
最先端の工業材料の開発においては、従来の工業材料を超える新しい機能や物性の発現が期待されています。そして日本の研究者やエンジニアはこの分野で世界をリードし、最先端を走り続けています。
その開発や製造の現場では何が起きているでしょうか。工業材料の化学的な成分に由来する分子レベルからの機能発現に加え、結晶やアモルファスのドメイン構造や配向の構造制御による機能発現、材料の複合化による材料発現、周期構造や傾斜構造による機能発現などの様々な手法が縦横無尽に活用されています。
研究者やエンジニアは、これらの手法についての学問的な裏付け、すなわち基礎概念を深く理解することで、高度な材料開発をすることが初めて可能になります。ビギナーズラックでは無いのです。
この講義では先端工業材料に関するトピックスをケーススタディとして取り上げ、最先端材料開発の手法についての学問的裏付けとその応用について学習します。次はあなたが材料開発のリーダーになる番です。

【授業の到達目標】
(1)先端的な工業材料・新素材の機能発現の基礎概念を理解し、適切に活用できるようになる。
(2)先端的な工業材料がどのように開発され、製造されているかを適切に説明できるようになる。
(3)先端的な工業材料の開発における発想法、実践力を身につける。

【授業概要(キーワード)】
複合材料、インテリジェント材料、スマート材料、自己修復材料、ソフトマター、生体材料、3Dプリンティング材料、デジタルマテリアル

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(H)実践的機械工学(材料・構造工学分野)(1,0)を養成するための科目です。かっこの中の数値は重みを表します。授業内容は「材料科学」および「工業材料」の知識を基礎とします。本科目の講義はこれらの科目を履修していることを前提にして進めます。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
90分の講義時間の中で、講義と演習を行う。演習では学生各々が自分で問題を解いたり、グループで問題を議論・解決・発表したりしながら、インタラクティブに授業を進めます。
・日程
第1週 先端工業材料とは
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第2週 複合材料の基礎
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第3週 複合則
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第4週 インテリジェント材料、機能性エラストマー、自動車用タイヤ
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第5週 スマート材料、スーパーエンジニアリングプラスチック、液晶材料、接着剤
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第6週 自己修復材料、機能性ゲル、ソフトマター、生体材料、低摩擦材料、界面活性剤、潤滑剤
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第7週 先端工業材料のまとめと試験、3Dプリンティング材料、デジタルマテリアル
(予習)第6週までの内容を復習し、試験に備える。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第8週 先端工業材料開発プロジェクト(1)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第9週 先端工業材料開発プロジェクト(2)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第10週 先端工業材料開発プロジェクト(3)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第11週 先端工業材料開発プロジェクト(4)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第12週 先端工業材料開発プロジェクト(5)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第13週 先端工業材料開発プロジェクト(6)
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。
第14週 先端工業材料開発プロジェクト、プレゼンテーション
(予習)配付資料を読み、興味を持ったことをインターネットや本等で調べておくこと。
第15週 試験とまとめ
(予習)第14週までの内容を復習し、試験に備える。
(復習)配付課題を行い、レポートとして提出する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義の内容についての毎回レポートを出題するので、講義に出席し、自分で講義ノートを作成する。
講義中に行う演習や試験では計算問題もあるので、関数電卓を各自準備し持参すること。
資料の配布やレポートの提出にはWebClassを使い、学習の効率化、ペーパーレス化を進めます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
前回の講義の内容を踏まえて、次の講義が行われるので、前回の講義の内容を良く勉強しておくこと。日頃から教科書や講義だけでなく、TVやイン ターネット。新聞・雑誌をはじめ、様々な情報メディアを目と耳を傾けて最新の知識を蓄積することが、先端工業材料の学習に対する何よりの学習となります。「なぜだろうか、どうしてそう考えたのだろうか」という好奇心こそ、爆発的な学びの導火線、学問のスイッチになります。
自分で作成した講義ノートや講義中に行った演習の内容を参考にしながら、毎回レポートの課題を学習し、提出してください。毎回コツコツ学習することで、だんだんと基礎概念と思考力が身につきます。

【成績の評価】
・基準
試験を80%、演習およびレポートを20%として合計100点満点で成績評価を行い、60点以上を合格とする。 評価内容として「授業概要(目標)」の(1)の項目40%、(2)の項目30%、(3)の項目30%とする。
・方法
試験、授業時間内に実施する演習およびレポートの成績を総合して評価する。 内容は「授業概要(目標)」の(1)~(3)を含む。

【テキスト・参考書】
テキスト: 末益博志編、入門複合材料の力学、培風館2009
参考書:
1.東北大学金属材料研究所編、金属材料の最前線 (ブルーバックス) 、 講談社2009
2.前田瑞夫、栗原和枝、高原淳編、ソフトマター-分子設計・キャラクタリゼーションから機能性材料まで、丸善2009
3.門田和雄、3Dプリンター入門(ブルーバックス) 、講談社2015

【その他】
・学生へのメッセージ
講義で理解できなかった点や、疑問に思ったことは積極的に質問にくること。
・オフィス・アワー
質問がある場合は,授業終了後、担当教員に直接お問い合わせください。

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