近世文化史(文化論)
 early Modern Japanese Culture History
 担当教員:小林 文雄(KOBAYASHI Fumio)
 担当教員の所属:工学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:工学部  科目区分:基盤共通教育科目 
【授業の目的】
歌舞伎、人形浄瑠璃、落語、講談、三味線音楽などの、日本近世(江戸時代)に発展した多様な芸能や音楽について概説します。そして、それらの芸能や音楽を通して、江戸時代の人びとのくらしのあり方や心性(考え方や価値観を含む)について考察することを目的とします。

【授業の到達目標】
(1)日本の古典芸能の特質について理解し、説明することができる。(知識・理解)
(2)日本近世の文化史的な意義を説明することができる。(知識・理解)
(3)作品と時代背景・社会状況との関連を読み取ることができる。(知識・理解)
(4)日本の伝統的な文化に興味・関心を持つことができる。(態度・習慣)

【授業概要(キーワード)】
江戸時代、文化、音楽、娯楽、心性、古典芸能、伝統芸能、和楽器、歌舞伎、寄席

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、豊かな人間性を養い、幅広い教養を身につけるための科目です。

【授業計画】
・授業の方法
各回ごとに配布資料を用意します。また、映像・動画やCD音源を使用する回があります。そのときは、視聴するポイントを事前に示し、それについて視聴した後にリアクションペーパーに記入・提出してもらいます。
・日程
1 オリエンテーション-伝統芸能って何だろう?
2 日本の伝統音楽に触れてみよう-多様性、楽器、音質、リズムの特徴を考えよう
3 古代日本の芸能と音楽-アジアの音楽文化の受容/宗教と音楽
4 日本の声の音楽-声明と語り物
5 日本の楽器に触れてみよう
6 江戸時代の芸能文化(1)歌舞伎と人形浄瑠璃
7 江戸時代の芸能文化(2)音曲文化の広がりと大衆演芸の発展
8 歌舞伎から江戸時代をみる(1)義経千本桜-江戸時代の人の歴史感覚-
9 歌舞伎から江戸時代をみる(2)白浪五人男/三人吉三-アウトローの世界-
10 歌舞伎から江戸時代をみる(3)仮名手本忠臣蔵と東海道四谷怪談
11 落語から江戸時代をみる(1)江戸の住空間-裏店と大店
12 落語から江戸時代をみる(2)江戸の遊興-参詣と旅
13 講談と浪曲
14 古典・伝統の継承と革新-現代邦楽の世界を事例に-
15 まとめ 江戸時代の文化の特質
※受講人数や受講生の興味・関心により、一部変更になることもあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で紹介する作品(演劇や音楽)は、注意深く鑑賞し、気になるところはメモをとりながら視聴してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
準備学修に必要な学習時間の目安は以下のとおりです。
2時間/週
予習としては、事前配付した資料に挙げられた作品(演劇・音楽)やその作者について、図書館やインターネットで調べたり、視聴したりしておいてください。
復習としては、授業で紹介した作品をインターネット等で再視聴するか、それに関連する情報を探して、授業内容を振り返ってください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した、江戸時代の文化と芸能の特質について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
講義中に提出するリアクションペーパーの内容 30%
期末レポート 70%

【テキスト・参考書】
とくに購入してもらうテキストはありません。必要な資料は講義中に配布します。
参考書は配付資料に明記します。

【その他】
・学生へのメッセージ
日本の古典(伝統)芸能-演劇や伝統音楽-は、現在の生活から離れていて、なじみがなく、敷居が高いものに感じられる人もいるかもしれません。歌舞伎や落語は江戸時代の文化と密接に結びついているので、そう感じるのも無理はありません。まずは、あまり難しく考えずに授業で取り上げる古典(伝統)芸能に触れてみてください。そこから伝統芸能の面白さに気づいてもらえたらなによりです。
・オフィス・アワー
通常は山形大学におりませんので、事前に電子メール等で連絡いただければ対応します。

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