【授業の目的】
線形代数学は,微分・積分学と並んで,理工系学生として身につけておかなければいけない大切な基礎学問の一つです.前期に開講された基礎教育科目「線形代数基礎」では行列,行列式,連立1次方程式等,線形代数の基礎概念を学びました.本講義では,それらの概念を発展させ,ベクトル空間とベクトルの1次独立・1次従属,基底と次元,線形写像,固有値・固有ベクトル,行列の対角化,ベクトルの内積について学びます. 線形代数は理工系学問の基礎となる非常に重要な数学です.2年次以降で本格的に専門科目を学ぶ際に,線形代数を道具として自由に使いこなすことが必要になりますが,そのために必要な概念および計算力を身につけることが本講義のねらいです.
【授業の到達目標】
この授業では,行列と行列式などの基礎概念をもとに,(1)ベクトル空間の概念を理解する,(2)ベクトルの1次独立と1次従属を判定できる,(3)基底と次元を求めることができる,(4)写像の概念を理解する,(5)固有値と固有ベクトルを求めることができる,(6)行列の対角化ができる,(7)ベクトルの内積を求めることができることを目標としています.
【授業概要(キーワード)】
連立方程式の解空間、ベクトル空間,1次独立,1次従属,基底,次元,線形写像,部分空間,固有値,固有ベクトル,固有空間,行列の対角化,内積,複素ベクトル空間,外積,勾配,発散,回転
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
線形代数学は,微分・積分学と並んで,理工系学生として身につけておかなければいけない大切な数学の一つである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
線形代数基礎で学んだ基礎をもとに,例題を多く用いてやさしく、わかりやすく授業を行います.本授業はWEBクラスを活用します。必要に応じて資料や解説動画等はWEBクラスを用いて配布、連絡いたします。
・日程
1. 「線形代数基礎」の復習 2. 連立方程式の解法と行列の基本変形 3. 行列の階数 4. ベクトル空間とベクトルの1次独立性 5. ベクトルの1次従属性とベクトル空間の生成 6. ベクトル空間の基底と次元 7. 線形写像とイメージ空間 8. 数ベクトル表現と表現行列 9. 固有値と固有空間 10. 行列の対角化 11. 行列対角化の応用 n乗行列 12. 行列対角化の応用 三項間漸化式 13. 行列対角化の応用 連立微分方程式、二階微分方程式 14. 内積空間と直交化 15. 期末テスト(まとめの演習)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業中にわからないことがあったら,演習中,授業後は教室で,あるいは空き時間に担当教員の研究室に行き,遠慮なく質問してください.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
大学では,1時間半の講義に対し,授業時間以外に少なくとも1時間半ずつの予習および復習をしなければいけないことになっています.これは大学生である皆さんの「義務」なので、毎回必ず予習・復習をして授業に臨んでください.もしわからないことや疑問な点が出てきたら,そのままにしておかないで,すぐに担当教員に質問するなどして,それらの疑問点等を解消して授業に臨むことが非常に大事です.
【成績の評価】
・基準
3回の演習レポートと期末試験で総合的に評価します。
・方法
演習レポート(40点)+期末テスト(60点)=100点。 60点以上を合格とします。 5回を超える欠席がある場合期末試験を受ける資格がなくなります。
【テキスト・参考書】
テキスト: 三浦 毅・早田孝博・佐藤邦夫・髙橋眞映 共著,『線型代数の発想』(第5版),学術図書出版社. 参考書: 授業の中で紹介します.
【その他】
・学生へのメッセージ
できるだけわかりやすく講義を進めますが,十分に予習・復習を行うことによって本当の理解が得られ,ひいては自分のパワーアップにつながっていきます.特に,十分な計算力を身につけるように心がけてください.随時,演習を行いながら講義を進めますので,授業に遅刻したり欠席したりしないこと.
・オフィス・アワー
随時 10号館203
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