【授業の目的】
プラスチックや合成繊維に代表される有機工業製品は,人類の生活を豊かにした.また,人工肥料は食糧問題を解決し,合成医薬品は人々の健康を守っている.これらすべての有機工業製品は,「どのようにして,作っているのだろう?」また「どのように作用しているのだろう?」 本講義では,普段の生活において身近にある有機工業製品に焦点を絞り,分子構造,性能,工業的製法などに関して講義を行う. 前半では基本的な有機化学について講義を行う. 後半では生物学と生化学反応を日常生活にある身近な生命現象と関連について講義を行う.
【授業の到達目標】
1.石油精製,油脂,界面活性剤,香料,農薬などの有機工業製品の工業的製法およびその機能について理解する. 2.身近な高分子材料の特徴や製造法を理解し説明できるようになる. 3.生体中の化学反応や、生体材料・ソフトマターなどの役割を理解し、説明できる。
以上、3点を到達目標とする。
【授業概要(キーワード)】
石油精製,油脂,塗料,香料,農薬, ハイドロゲル、生体材料、バイオセラミックス、健康と金属元素
【科目の位置付け】
授業前半では「有機工業化学製品」という点に力を入れた講義であり,以下の点を満たすことを学習目標とする. (a) 原油の採掘から石油精製まで説明できること. (b) サランラップとポリラップの違いが説明できること. (c) サラダ油とバターとマーガリンの違いが説明できること. (d) シャンプーとリンスの役割の違いが説明できること. (e) 香水と殺虫剤について説明できること. 前半では,このようにくらしを支える有機化学の基礎について学ぶ。 授業後半では,生命や人体と密接に関わる化学理解することを目標とする。 (a) 身体活動とエネルギー代謝説明できること. (b) 生体の構成要素を説明できること. (c) 健康における金属の重要性が説明できること. (d) 生活につながるハイドロゲルを説明できること. (e) 生体材料とナノテクノロジーについて説明できること. 後半では、このように生命現象から生物学の基本について学ぶ
【授業計画】
・授業の方法
講義形式で授業を行い,内容は,下記の日程に従う.各講義の理解度を確かめるために,レポートを課すことがある.
・日程
1.石油精製 その1 2.石油精製 その2 3.サランラップとポリラップ 4.サラダ油とバターとマーガリン 5.シャンプーとリンス 6.香水と殺虫剤 7.前半まとめ、中間テスト 8.ヒトの体とエネルギー 9.生命体をつくる情報と構造 10.ハイドロゲルと高分子 11.生体材料とバイオセラミックス 12.健康と金属元素 13.材料ナノテクノロジー 14.後半のまとめと期末試験 15.期末試験の解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語は厳禁とし,他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は,退室していただき,欠席扱いとする.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・予習のあり方 特別に予習をする必要はない.
・復習のあり方 復習は講義ノートを整理し,講義に関する理解を深めておくのが望ましい.
【成績の評価】
・基準
60点以上: 目標の(a)~(e)を満たすこと. 70点以上: 60点以上の基準に加え,(a)~(e)の内どれか3つに秀でていること. 80点以上: 70点以上の基準に加え,(a)~(e)の内どれか4つに秀でていること. 90点以上: 80点以上の基準に加え,(a)~(e)の内どれか5つに秀でていること.
・方法
中間テストと定期テストを評価。100点満点で60点以上合格.
【テキスト・参考書】
松田治和,野村正勝,池田功,馬場章夫,野村良紀,「有機工業化学」,丸善株式会社,2,800円
なお,応用化学・化学工学分野とバイオ化学工学分野に配属される学生は,上に示した「有機工業化学」のテキストを「有機工業化学」という授業で使います.
前半に関しては、将来、応用化学・化学工学分野とバイオ化学工学分野への配属を考えてる学生は「有機工業化学」のテキストを購入しといても損はないと思います。購入しなくても、前半のテストは簡単なので講義を聞いてノートを取っていれば合格点に達するはずです。 後半については、特に参考書・参考資料等はありません。講義を聞いてノートを取っていれば合格点に達するはずです。
【その他】
・オフィス・アワー
波多野 豊平:毎週月曜日16:00~17:00 3号館1301号室 カジィ グルサンアラシャティ :毎週火曜日と金曜日16:00~17:00 9号館200-5号室
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