遺伝子タンパク質工学
 Genetic and Protein Engineering
 担当教員:豊増 知伸(TOYOMASU Tomonobu)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科バイオサイエンスコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオサイエンスコース3年生  科目区分:バイオサイエンスコース選択科目 
【授業の目的】
作物や植物資源、未利用微生物資源を研究する上で基礎となる遺伝子のクローニングや配列決定などの遺伝子工学技術、また、遺伝子工学に基づくタンパク質工学技術の基礎を学ぶ。近年、生命科学の様々な領域で遺伝子工学やタンパク質工学の技術が用いられるようになってきた。本講義では遺伝子工学技術と遺伝子工学に基づくタンパク質工学技術の基礎を学び、バイオサイエンスに関する基礎的な知識を身につけることを目的とする。

【授業の到達目標】
バイオサイエンスにおける基礎専門的なタンパク質、大腸菌、ファージ等の宿主とそのベクター系を利用したライブラリーあるいはPCRによる遺伝子のクローング法、また、原核あるいは真核微生物を用いたタンパク質生産方法ならびにそれを利用したタンパク質工学的手法など、遺伝子工学やタンパク質工学に関する基本的な概念や用語を正しく理解できるようになる(知識・理解)。

【授業概要(キーワード)】
遺伝子工学、タンパク質工学、遺伝子クローニング、タンパク質の異種細胞発現、PCR、酵素触媒

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この講義は、遺伝子工学、それに基づくタンパク質工学の技術を学ぶとともに、工学の対象となるタンパク質や酵素を学ぶことで、バイオサイエンスに関わる基本的な知識・技術論を習得する。そのことは他のバイオサイエンス関連の科目の理解を助ける場合も多い。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
授業の実施形態:スライドを用いて説明する講義形式。詳細はガイダンスで説明する。
・日程
第1回:ガイダンス~遺伝子工学とは?タンパク質工学とは?
第2回:タンパク質の構造概論
第3回:タンパク質の立体構造の解析法
第4回:酵素命名法
第5回:酵素の動力学的解析
第6回:酵素阻害論
第7回:遺伝子工学の基礎 -ベクターとホスト-
第8回:遺伝子工学で使用する代表的な酵素
第9回: PCRを利用した技術
第10回: DNAクローニング、サブクローニング法
第11回:遺伝子解析法
第12回:遺伝子操作
第13回:タンパク質工学的手法 -DNAの操作-
第14回:タンパク質工学的手法 -タンパク質生産-
第15回:タンパク質-タンパク質相互作用の検定法

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書を指定しているが、演習に近い部分もあるので、講義には毎回、積極的に参加して欲しい。準備学修に必要な学修時間の目安は1週で4時間程度。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習として講義内容や配布プリントも参考にして用語等を整理しておくと理解しやすい。技術論の中には、新しいものは教科書には掲載されていないので講義で配付される資料をよく参照する。積み上げ式の講義なので、毎回復習すること。

【成績の評価】
・基準
遺伝子工学やタンパク質工学に関する基本的な概念や用語を正しく理解していることを合格の基準とする。
・方法
中間試験と期末試験に相当するレポート課題、それぞれ50点満点で合計100点満点として評価。

【テキスト・参考書】
テキスト:エリオット生化学・分子生物学、第5版 Papachristodoulou ら(村上誠ら 訳)東京化学同人
最新の技術は、テキストだけでは不十分なので配付資料等で補う。

【その他】
・学生へのメッセージ
基礎生化学、分子生物学を履修した前提で講義は行います。受講者は事前にこれらの講義を受講しておいて下さい。また、他の分子生物学関係の講義も受講した方が効果的に理解できます。生化学、分子生物学関連の研究室を希望する学生は必要な科目なので、受講して下さい。未履修の場合は研究室所属後も基礎知識の取得のため、履修して欲しい。
・オフィス・アワー
アポをとっていただければオンラインも含めていつでも対応する。ただし、感染防止対策は徹底する。

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