【授業の目的】
日本の教職大学院制度は、2008年に発足した。山形大教職大学院は、2009年に設立し、12年目を迎えている。「実習を中心として、理論と実践を往還する探究的な省察力を育成する教育課程」「研究者教員と実務家教員の協同による指導体制」「現職教員学生と学部新卒学生が学び合う学習形態」などの特徴を持つ。今後の教員養成の主軸となることを期待されているものである。
本授業は、教職大学院の教育理念やカリキュラムの第一歩を学ぶことを通して、今、教員に求められている「専門性の高度化」について課題意識を広げることを目的とする。 なお、2年次後期に開講される「学習開発フィールドワーク」の受講には、本授業を履修しておく必要がある。フィールドで指導する教職大学院の専任教員との関係を前期につくっておく必要があるからである。
【授業の到達目標】
・現在、教員に求められている「専門性の高度化」の課題を理解できるようになる。 今、教師は、どのような課題に直面しているのか。それに対応するために、どのように専門性を高度化する必要があるのか、など。
・教職大学院の教育理念が「理論と実践の融合(往還)」であることを理解できるようになる。 理論があればそれでけで実践をつくれるわけでもない。一方、実践さえできれば理論なんかどうでもいいというわけでもない。この両者の融合(往還)とはどういうことなのか、など。
【授業概要(キーワード)】
教職大学院、教職の専門性の高度化、理論と実践の融合(往還)、省察
【科目の位置付け】
児童教育コース チャレンジ・プログラムの授業科目。希望する小学校教育プログラムの学生も履修できる。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
教職大学院の専任教員が、1人1回担当して、自分の専門から、実践へのアプローチとそれを支える理論や実務経験について語ります。
・日程
1 教職大学院制度って何? 授業の事実と「子どもの理(ことわり)」(江間) 2 英語科授業構成の実際と課題 (石﨑) 3 高校英語科の教材開発と児童生徒理解(宮舘) 4 組織管理の実践と課題(吉田) 5 数学科授業構成の実際と課題 (大澤) 6 附属中の研究会への参加と終了後の懇談会(江間ほか) 7 国語科授業構成の実際と課題 (三浦登志一) 8 附属小の研究会への参加と終了後の懇談会(江間ほか) 9 教育経営と地域教育計画の事例研究 (鈴木貴子) 10 発達障害の理解と支援(川村) 11 教育経営と山形県の教員に求められるもの (澁江) 12 国語科の教材開発と児童生徒理解 (井上) 13 学校の安全と防災教育 (熊谷) 14 理科授業構成の実際と課題 (鈴木宏昭) 15 カリキュラムと授業研究の実際と課題 (森田)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
グループワークなどがある場合は、積極的に参加することが期待される。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
受講者各自が、専任教員のそれぞれの話を、「理論と実践の融合(往還)」という点から整理していくことが期待される。
【成績の評価】
・基準
レポートを、次の観点で評価する。 ・教師にどのような専門性の高度化が期待されているのか、それはなぜかを説明できること。 ・理論と実践の融合とは具体的に言うとどういうことかを説明できること、それを通して何を学べるかについて自分の考えを述べること。
・方法
「理論と実践の融合(往還)」をテーマに、15回の授業から2回の内容を各自で自由に選択し、それを素材にしてレポートを作成する。レポートのタイトルは、各自でつけてかまわない。レポートは、内容理解(50%)、理論と実践の融合についての考察(50%)で評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト:山形大学教職大学院パンフレット(大学院実践研究科のホームページからダウンロードできる)。 参考書など:必要に応じて、各授業担当者から指示があります。
【その他】
・学生へのメッセージ
教職の専門性を考える第一歩の授業です。教職の専門性の面白さと難しさ、豊かさを考えてもらえればと思います。
・オフィス・アワー
日時や連絡先は、各教員から授業の際に具体的にお知らせします。
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