現実の教育課題を解決するために，総合的・システム的にアプローチする方法について学び，理解を深めることを目的とします。具体的には，教育工学に関する基礎的な知識，コンピュータによる学習支援・評価の考え方について学びます。また，学校教育・生涯学習におけるICTの活用，情報教育の内容と方法，学習アプリケーション開発，現代の教育課題についても取り上げます。

（１）教育工学に関する基礎的知識について説明できる。【知識・理解】
（２）コンピュータによる学習支援・評価の考え方を説明できる。【知識・理解】
（３）教育におけるICTの活用，学習アプリケーションについて考え・工夫することができる。【技能】
（４）現代の教育課題に関心を持つことができる。【態度・習慣】

教育工学，情報教育，コンピュータによる学習支援，教育におけるICTの活用，学習アプリケーション開発

B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：1～25％
D-1．演習、実習、実験等を行う機会がある。：26～50％
A-2．小レポート等により、事前学習（下調べ、調査等含む）が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。：1～25％

本授業は，児童教育コースの専門・発展科目であり，社会教育主事資格取得に関わる選択必修科目です。また，本学部のディプロマ・ポリシーである，専門分野の知識と技能（（１）地域の教育及び文化創生のために修得すべき専門的知識や技能を身に付けている。（２） 専門的に学んだ分野を基盤とし，さらに，幅広い分野の知識や技能を活用しながら地域の教育及び文化創生に関する課題の解決に取り組むことができる。）の獲得に寄与する科目です。

04.質の高い教育をみんなに

教育問題を解決するための方法について，主にパワーポイントや配付資料を用いて講義を進めます。
また，授業回によっては，グループワーク等の演習や成果発表も実施します。

本授業は，以下のテーマと順序で行います。
第1回目　講義の進め方とガイダンス
第2回目　教育工学の背景と特徴：教育工学の分野と特徴
第3回目　コンピュータによる学習支援（１）：学習者の反応分析ツール
第4回目　コンピュータによる学習支援（２）：学習状況把握支援に関する研究事例
第5回目　学習の評価（１）：成績データの分析・評価（記述統計）
第6回目　学習の評価（２）：成績データの分析・評価（データの可視化）
第7回目　学習の評価（３）：成績データの分析・評価（t検定）
第8回目　学校教育・生涯学習の場におけるICTの活用（１）：資質・能力の育成とコンピュータ活用
第9回目　学校教育・生涯学習の場におけるICTの活用（２）：教科の資質・能力の育成のためのコンピュータ活用
第9回目　学校教育・生涯学習の場におけるICTの活用（３）：成果発表
第10回目　情報教育の内容と方法（１）：小学校におけるプログラミング教育
第11回目　情報教育の内容と方法（２）：中学校・高等学校におけるプログラミング教育
第12回目　学習アプリケーション開発（１）：学習アプリの外観の作成
第13回目　学習アプリケーション開発（２）：学習アプリのスクリプトの作成
第14回目　学習アプリケーション開発（３）：開発したアプリの評価と改善点の洗い出し
第15回目　現代の教育課題とまとめ

授業で示されるパワーポイントを参考に講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めて下さい。

本授業では授業外における予習・復習が重要であり，１～２時間／週程度の学習が望まれます。

授業の到達目標（１）～（４）の基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。

レポート，成果発表，開発したアプリケーションの得点の合計をもって評点とします。
評点の割合は，レポート６０％，成果発表２０％，開発したアプリケーション２０％です。

事前のテキスト・参考書として個別に指定するものはありません。
必要な資料は，授業ごとにWebClassで配布しますので，閲覧できる環境（ノートPC）を用意して下さい。

教育工学は，様々な学問・研究（情報工学，システム工学，学習心理学，認知心理学など）を総合的に，システム的に活用することで，複雑で複合的な教育問題を解決する学問・研究です。そのため，文系・理系問わず，教育問題の解決に対して意欲的に取り組む姿勢が重要です。

授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」の時間，場所，および，アポイントの取り方については，第1回目の授業にてお伝えします。