漢文学講読
 Reading in the Sino-Japanese Literature
 担当教員:三上 英司(MIKAMI Eiji)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
伝統的言語文化が構築される姿の理解を通じ、自らを取り囲む文化環境を根底から支える言語活動を創造性及び柔軟性をもって豊かにする態度と基礎的な知識を得ることが目的である。

【授業の到達目標】
・基本的な訓読技術を身につけ、比較的短い漢文を読解できる。
・歴史的な背景を踏まえて古典学習の意義を具体的に説明できる。
・話者の意図を正確に把握することができる。
・漢文が日本文化に与えた影響を踏まえて現代日本人の感性や思考の特徴について説明できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
『論語』「学」「知」「仁」「勇」「徳」

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
国語科専門の基礎。漢字文化圏における代表的典籍が持つ文化的価値を理解することによって国語力習得と実践的運用の礎石を身につける。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
毎回、『論語』の章句からテーマを設定して講読を進める。
訓点付き漢文を自力で読解できる能力を養成するとともに、漢文学を通じて自分自身を振り返る視点を獲得してもらいたいと考えている。
・日程
第1回  古典の定義と古典に触れる意義
第2回  訓読の基本技術 「論語」成立概説
第3回  「直」という概念と「徳」との関係
第4回  「知」という概念と「徳」との関係
第5回  音読と朗読の違い  暗唱と素読の意義
第6回  「学」という概念と「徳」との関係
第7回  「和」・「楽」という概念と「徳」との関係
第8回  「書き下し」と「暗唱」の演習
第9回  「勇」という概念と「徳」との関係
第10回 日本文化と『論語』
第11回 朱子学と陽明学
第12回 子路・子貢・顔淵について
第13回 「知行合一」と「学」との関係 
第14回 君子という生き方 
第15回 授業のまとめ(試験を含む)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業時は、テキストと漢和辞典とをともに持参して質問・課題・討議に積極的に取り組む。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
指定されたテキストを購入し、提示されるテーマに沿って図書館ならびにインターネットで必要な情報を収集して精査・関連づけて予習する。講義録を踏まえながら参考書などを比較し、『論語』解釈の様々な先行例を知ることによって自分の言葉で現代語に訳せるように工夫する。

【成績の評価】
・基準
①訓点付きの漢文を正確に書き下し文にできることを合格の基準とする。
②日本人の感性や価値観の土台となっている概念についての理解ができていることを「A」評価の基準とする。
③古典学習の今日的な意義と古典への接し方について説得力ある意見を有することを「S」評価の基準とする。
・方法
試験(50点満点)とリフレクションペーパー・小課題(50点)の合算によって行う。なお試験時は講義ノート・テキスト・漢和辞典を持参し、これを使用しながら自分の考えをまとめること。

【テキスト・参考書】
テキスト:『標注 論語集註』(渡邊末吾著 武蔵野書院)
参考書 :『論語』(金谷治訳注 岩波文庫)『論語』(吉川幸次郎訳注 朝日選書)『現代語訳 論語』(宮崎市定訳注 岩波現代文庫)『論語』(加地伸行訳注 講談社学術文庫)

【その他】
・学生へのメッセージ
文化交流・日本語教育・国語科教育・比較文学を学びたい学生の履修を予定していますが、履修当初は漢文訓読ができなくても大丈夫です。他分野を学ぶ学生の履修も歓迎します。
・オフィス・アワー
三上研究室(基盤教育1号館・地域教育文化学部2号館の5階、東奥、541号室)で月曜日と木曜日の12:00~13:00に開設しますが、授業・出張・会議以外の時間は、随時対応します。

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