生物学野外実習
 Biological Field Practice
 担当教員:竹原 明秀(TAKEHARA Akihide), 滝澤 匡(TAKIZAWA Tadashi)
 担当教員の所属:岩手大学人文社会科学部, 地域教育文化学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:1.5単位  開講形態:実習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
八甲田山の周辺における植生の観察と植物群落構造の調査方法
東北地方の大部分の地域は,冷温帯落葉広葉樹林帯に属している。その代表的植物群落であるブナ林と,その上部に発達する亜高山帯針葉樹林,高
山帯ハイマツ低木林及び高層湿原において,植生の垂直分布及びブナ林の群落構造の調査・解析に関する現地実習を行うとともに,冷温帯落葉広葉
樹林帯を構成する植物種について学修する。

【授業の到達目標】
八甲田山の周辺における植生の垂直分布を構築する植物群落の現地実習を通し,植物の生存戦略と生育環境との関わりを理解・説明できるとともに,冷温帯落葉広葉樹林帯に出現する植物種の代表種を同定できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
植物・植生の垂直分布,八甲田山周辺の植生,植物群落の構造,植物の同定

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
中学校教諭・高等学校教諭一種免許状取得のための科目(教科に関する科目)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
・授業の方法
東北大学附属植物園八甲田山分園を利用し,夏期休暇中に集中して行う。担当教員の説明や提示資料をもとにして,個人またはグループで実習の作業を行なう。現地までの往復交通費及び宿舎宿泊費は自己負担となる。
・日程
第1回:実習の概要と植物生態学とは
第2回:植物群落の垂直分布とは
第3回:垂直分布解析のための基本的な植物種の観察
第4回:植物群落の垂直分布の調査(ブナ林の植生観察)
第5回:植物群落の垂直分布の調査(亜高山帯の植生観察)
第6回:植物群落の垂直分布の調査(森林限界,高山帯の植生観察)
第7回:高層湿原とその植生の調査
第8回:八甲田山における植物群落の垂直分布の解析とまとめ
第9回:ブナ林の群落構造の調査方法(植生調査票の記入法,胸高直径と樹高,林冠投影図及び植生断面図)
第10回:ブナ林の群落構造の調査と分析(植生調査と植生調査票の作成)
第11回:ブナ林の群落構造の調査と分析(胸高直径と樹高)
第12回:ブナ林の群落構造の調査と分析(林冠投影図の作成)
第13回:ブナ林の群落構造の調査と分析(植生断面図の作成)
第14回:ブナ林の群落構造の解析とまとめ
第15回:実習中に観察した植物を対象に植物目録(植物分類表)の作成

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
担当教員が話す内容や提示された資料をもとにして実習の具体的な作業を行なうので、特に担当教員の説明は理解できるように集中して聞くこと。
また,「ブナ林の群落構造調査」の部分はグループで作業するので、チームワークをよくすること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
できれば、下記の参考書のいくつかに事前に目を通しておいてほしい。提出するレポートを作成する際には、実習時のグループごとに集合して、協同作業でデータの解析等をする。

【成績の評価】
・基準
〇課題を把握し論理的に考察している。
〇植物目録は,正確に作成されている。
〇意欲的,探究的に実習に取り組んでいる。
・方法
期日までに、引率した教員にレポートを提出する。レポートの内容及び実習時の学習態度を、総合して評価する。
〇レポート…100点満点,学習態度に問題があった場合は減点する。

【テキスト・参考書】
[参考書]
〇『群落の分布と環境 植物生態学講座1』石塚和雄 編、朝倉書店、1977年
〇『群落の遷移とその機構 植物生態学講座4』沼田真 編、朝倉書店、1977年

【その他】
・学生へのメッセージ
〇夏季休業中に集中(4泊5日の予定)で実施する。実習場所は東北大学附属植物園八甲田山分園(青森市酸ヶ湯)で、宿泊は同センターの宿舎を
利用する。実験室での実習の他、野外での調査があるので、健康管理には十分留意すること。なお、5月中旬頃に本実習の説明会を開くので(5月
初め頃に説明会の案内をWebclassに掲示する)、履修希望者は必ずこの説明会に出席すること。最大受講可能な人数は10名程度なので、履修希望者
がそれを越えた場合は、この説明会で抽選して決める。よって、学務担当の事務に、この授業の履修登録をしただけでは、この授業は受けられない。
〇この講義を受講した学生は期日以内にレポートを提出すること。
・オフィス・アワー
地域教育文化学部2号館5Fの滝澤研究室でいつでもお待ちしています。事前にメールで連絡をくれると確実です。

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