工芸基礎
 Elements of Craft Production
 担当教員:具志堅 裕介(GUSHIKEN Yusuke)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
身近な素材を用いて日常的に使用する工芸やプロダクトの制作を通して,ものづくりの基礎としての「材料」と「工具」の関係について正しく理解し,加工のための基礎技法を習得する。
身近な生活用品(スプーン)や木製パスルの制作を通して,工芸やプロダクト制作で用いる基本的な材料の特性や,工具(小刀・鉈・鋸・彫刻刀・電動糸鋸等)の構造について解説し,論理的な「材料」と「工具」の関係について理解を深めていく。また,製品の観察や使用感の評価を通して,社会的な視点に立った材料特性の活用方法や,使うことを前提とした形状を構想する能力についても修得していく。

【授業の到達目標】
①:植物系素材としての木の特性を捉え説明できる。【知識・理解】
②:材料と工具(技法)の関係を理解し,設定された視覚的条件や構造的条件に即したかたちをイメージし再現できる。 【技能】
③:材料特性と使用場面を想定した形状を構想できるようになる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
木,木工道具,技法

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
中学校・高等学校一種免許状(美術)取得の必修科目。
造形表現における「目的および用途を持った」ものづくりの基礎的学習。

以下のDPを達成するための文化創生コースの基礎科目である。
・自ら主体的に問題意識を持ち、常に学び続けることができる
・地域の文化創生全般にわたる基本的知識を身につける
・地域の教育及び文化創生のために修得すべき専門的知識や技能を身に付ける


【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
身近な造形素材である「木材」と小刀,かんな,彫刻刀等の手道具を用いた造形活動を中心とする演習
・日程
第1回:オリエンテーション,今日のライフスタイルとものづくりの社会事情について概説する。(講義)
第2回:身近な生活用品の観察を通して材料および形状(身体尺度を含む)の特徴について考察する。(演習)
第3回:身近な植物系材料として木材の観察を通して材料の特徴について考察する。(演習)
第4回:身近な生活用品「スプーン」の制作①/木材加工のための技術考察[鋸(挽く)]について概説と課題制作(演習)
第5回:身近な生活用品「スプーン」の制作②/木材加工のための技術考察[小刀(削る)]について概説と課題制作(演習)
第6回:身近な生活用品「スプーン」の制作③/木材加工のための技術考察[彫刻刀(彫る)]について概説と課題制作(演習)
第7回:身近な生活用品「スプーン」の制作④/仕上げ加工と塗装[メンテナンス]について概説と課題制作(演習・討議)
第8回:身近な生活用品「スプーン」の制作⑤/使用感の評価と考察(演習・討議)
第9回:身近な生活用品「箸置」の制作①/アイデアスケッチと材料・加工方法の選択,課題制作(演習)
第10回:身近な生活用品「箸置」の制作③/仕上げ加工の概説と課題制作[研磨及び塗装等](演習)
第11回:身近な生活用品「トレー」の制作①/トレーの構想[スケッチ](演習)
第12回:身近な生活用品「トレー」の制作②/集成材の加工[糸鋸]について概説と課題制作(演習)
第13回:身近な生活用品「トレー」の制作③/集成材の加工[小刀や彫刻刀]について概説と課題制作(演習)
第14回:身近な生活用品「トレー」の制作④/紙ヤスリによる仕上げ加工と彩色について概説と課題制作(演習)
第15回:使用感及び形状の評価と講評,材料特性・道具の形状・加工技法に関する小テストと解説(演習・討議)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
材料への積極的な関わりを期待します。材料・かたち・仕上がりなど制作に対するこだわりを大切にしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
かたちに対する感性を高めるためためにも、専門誌や専門店等、良質の情報を進んで収集してください。道具等についても自身で事前に準備してもらいます。

【成績の評価】
・基準
到達目標①②③を評価の観点として,制作の手法の理解および造形への意欲等を制作の「過程」と「作品」により評価します。なお、最終提出時に作品のプレゼンテーションと専門用語に関する小テスト等をおこないます。
・方法
作品(3点):80%,小テスト(小レポート含む)とプレゼンテーション:20%を総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜配布
参考書:宮脇理 監修『ベーシック造形技法』建帛社/澤井聖一『木のデザイン図鑑』建築知識ほか適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
製図用具等は各自で準備してください。作業に適した服装にしてください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を設けます。なお,会議 や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は 事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。

21222130-2024-08-23041