【授業の目的】
本授業は声楽,器楽ソルフェージュの理念に基づいたアンサンブルの応用的な演奏能力を身につけることを目指す。主として三重奏以上のアンサンブルの作品を扱い,演奏内容を構成する様々な要素について吟味しながら表現し,実践的にアンサンブル研究を行う。
【授業の到達目標】
1.個々の技能のレベルに合わせた管弦打楽器及び声楽アンサンブル作品、鍵盤楽器アンサンブルの演奏を通して,音楽の形状的把握及び演奏上の諸問題について学び豊かな音楽性を身につける(知識・理解)。 2.バロックから近・現代までのアンサンブル作品の時代的な様式,作曲者の様式を把握して適切な音楽表現ができるようになる(技能)。
【授業概要(キーワード)】
アンサンブル 器楽ソルフェージュ 声楽ソルフェージュ 作品分析
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は文化創生コースの専門科目であり、教員の免許取得のための選択科目である(地域教育文化学部文化創生コースのカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
①「同じ楽器の編成による三重奏以上」,②「同種楽器による三重奏以上」,③「混合による三重奏以上」④「声楽アンサンブル」の編成で複数のアンサンブルグループを作って活動する。授業は適宜グループレッスンで進める。
・日程
第1回:オリエンテーション/授業の概要と展開,グループの確定,選曲等 第2回:アンサンブルの意義/アンサンブルの実践と音楽を学ぶ上での価値 第3回:呼吸法/器楽アンサンブルにおける演奏と呼吸の関係 第4回:拍節法/時代や作曲者の違いによる拍子感の捉え方 第5回:和声と音程/純正調から得られる重音美と音楽表現 第6回:旋律と音程/旋律表現における微細な音程調整の有効性 第7回:対比と調和/音楽表現における対比と調和の理念 第8回:バランス/相対する表現要素に均衡をもたらす重要性の美学的見地からの検討 第9回:強弱法:/演奏史の変遷における特徴と音楽表現における工夫 第10回:速度法/速度標語についての再検討,作品の統一的テンポ感覚と速度のニュアンス 第11回:作品の構造/モチーフ,フレージング,楽節,形式等の分析を踏まえた音楽構造の把握 第12回:作品の構築/音楽の提示,展開,完結等を明快に表現するための手法 第13回:工夫と打開/技術的難点,解釈の不一致,楽器の特性によるバランスの限界等の対処法 第14回:創意と解釈/演奏表現の独自性及び個性を打ち出すための方策 第15回:包括的表現(試験)/学期の授業を包括する形で演奏内容を構築し表現
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
アンサンブルは、他との調和・一致・対称等様々な要素の中で、自他共に生かされることで成り立つものなので、個々の音楽的責任は勿論、他のパートに寄せる関心が不可欠である。よって、よく聴きながら奏するバランス感覚を個々の感性に根付かせること。準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。 3時間/週 大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各々、弱点を明確にし、創意と工夫をもって予備練習を行なう。教員の指導内容から、何を会得したかを明確にし、そこから自分の方策を見出し、克服すべく努力を続けていく。
【成績の評価】
・基準
1.個々の作品解釈が表現されているか。 2.演奏の技術的習熟が達成されているか。 以上の観点をもとに、期末試験の点数及び出席状況等の平常点から総合的に判定する。
・方法
・全体授業での方向性を理解し努力したか。(10%) ・内容に対する理解や工夫が見られたか。(10%) ・授業に積極的であったか。(10%) ・方法:実技試験(70%)及び上記の基準に基づく採点(30%)の合算
【テキスト・参考書】
指導教員が必要に応じてテキストを指定したり、資料を配布したりする。
【その他】
・学生へのメッセージ
日々練習を怠らないこと。常に反復し習熟度を高めることが最も大切である。 音楽創出に常に積極的であること。
・オフィス・アワー
渡辺修身研究室において、火曜日の16:20~17:00の間に設けます。
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