絵画論
 Seminar on Material and Technique of Painting
 担当教員:小林 俊介(KOBAYASI Syunsuke)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
西洋絵画の技法材料演習を通じて,絵画の物質的構造と表現の関係を探求する。
・キャンバス,板,布といった基底材,膠,テンペラ,油,樹脂といったメディウム(媒材),各種顔料に対する歴史的,科学的,造形的理解を深め,絵画表現の基礎的な技術を身につけるとともに,応用的な展開を促す。
・技法と表現の関係について技法史的に考察し,絵画の特性について理解を深める。
・19世紀の印象派的な油性キャンバス・プリマ画法システムを批判的に相対化するため,技法史的にその前後の時代の技法演習に重点をおく。

【授業の到達目標】
・基底材や媒材,顔料の基本的な知識を基に,技法史的観点をふまえながら,各種技法に基づく絵画制作ができる。【技能】
・技法史的な観点から絵画表現について説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
絵画技法 材料  絵画表現 模写 グリザイユ

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
地域文化創生のために必要な心身の健康及び芸術・スポーツ文化に関する専門的知識や技能を身に付けるための文化創生コース発展科目である(文化創生学ディプロマポリシー)。なお,必ず「絵画論」と併せて履修すること。また,原則として「平面造形基礎」,「絵画基礎」,「絵画表現演習」,「絵画応用演習」の単位を修得済みであることを履修条件とする。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
模写を中心とした技法材料の講義と実習,すなわち絵画の基底材・媒材の制作から作品の完成までを演習する。自由課題制作も課す。
・日程
第1回:ガイダンス
第2回:基底材に布張り、絶縁
第3回:水性地塗り
第4回:下地材の研磨
第5回:模写の対象とする作品の選定
第6回:模写の対象とする作品の事前研究
第7回:原作のトレース
第8回:原作の転写
第9回:地透層の実施
第10回:下層描きの実施
第11回:下層描きの完成
第12回:上層描きの完成
第13回:作品の仕上げ
第14回:作品の検討と修正
第15回:学習のまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
古典的な作品の成り立ちについて知るまたとない機会ですので,能動的・主体的な態度で臨んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
模写対象について事前学習するとともに,材料用具の事前準備を怠りなく行うこと。
演習した技法について理解を深めるために,応用的な作例を自ら探求制作すること。

【成績の評価】
・基準
模写および模写の対象とした作品に関連して,以下の説明や活動ができることを基準とします。
・基底材や媒材,顔料の基本的な知識を基に,技法史的観点をふまえながら,各種技法に基づく絵画制作ができる。
・技法史的な観点から絵画表現について説明できる。
・方法
提出作品の完成度(65%)および作品の技法と表現に関するレポート(35%)の合計を評点とします。

【テキスト・参考書】
参考書: 佐藤一郎『絵画技術入門』美術出版社。M.デルナー『絵画技術体系』美術出版社。『トンプソン教授のテンペラ画の実技』三好企画。紀井利臣『黄金テンペラ技法』誠文堂新光社。チェーザレ・ブランディ『修復の理論』三元社。佐藤一郎『絵画制作入門』、東京藝術大学出版会、2014年。『絵画組成 絵具が語りはじめるとき』2019年、武蔵野美術大学出版局。『絵画 アートとは何か』武蔵野美術大学油絵学科研究室、2002年。ほか、適宜紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
参考書などの学修を通じて,絵画に対する見方を広げてください。なお、文化創生コース開講科目「絵画技法演習」と同学期に履修することを原則とし、「絵画論」単独での履修は認めません。また、原則として、履修までに文化創生コース開講科目「平面造形基礎」および「絵画基礎」、「絵画表現演習」の単位を取得していることを履修条件とします。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を設けます。なお,会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。

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