福祉心理学
 Psychology for Social Welfare
 担当教員:河合 輝久(KAWAI Teruhisa)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):主に医療,教育領域での心理支援の経験を有する教員が,その経験も踏まえ,実践上における留意点も交えて講義を行う。
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 虐待,認知症,貧困といったように,福祉領域における心理社会的課題が深刻化している昨今,心理援助の専門職は,福祉領域における対人援助職と連携・協働して,これらの諸課題に介入していく必要がある。そのためには,福祉分野の法制度や用語,福祉分野の心理支援のあり方を理解しておくことが必須である。 
 本授業では,児童福祉,家庭福祉,高齢者福祉,障害者福祉といった社会福祉分野における諸問題に加え,各分野における法制度や支援施設とともに,福祉分野に必要な心理支援を学ぶ。

【授業の到達目標】
本授業の到達目標は,次の3点である。
1.福祉現場における問題およびその背景を関連づけることができる(知識・理解)
2.福祉現場における心理社会的課題及び必要な支援方法を判断し関連づけることができる(知識・理解)
3.虐待,認知症についての基本的知識を身につけ,理解できる (知識・理解)

【授業概要(キーワード)】
ノーマライゼーション,社会福祉法,多職種連携・協働,児童相談所,児童福祉施設,ひとり親家庭,虐待,認知症,高齢者福祉施設

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業は,地域社会における心身の健康に関する諸課題についての基本的知識や課題解決のための実践力を身につけるための科目であり,公認心理師の受験資格に関わる単位である(地域教育文化学部文化創生コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いた講義形式の授業であるが,講義内で質疑応答の時間を設けたり,グループワークを行なったりすることもある。
・日程
(順番を入れ替えたり,内容量によっては次回に持ち越すこともある)
第 1回目 社会福祉の歴史と動向
第 2回目 社会福祉の理念:ノーマライゼーション,QOL,エンパワーメント 等
第 3回目 社会福祉分野における法制度
第 4回目 社会福祉に関わる専門職と協働
第 5回目 福祉現場における支援の基本概念:ソーシャル・インクルージョン,多職種連携・協働 等
第 6回目 福祉分野の活動の基本と倫理
第 7回目 福祉における心理アセスメント
第 8回目 第1~7回目までの中間試験
第 9回目 児童福祉分野における心理社会的課題と支援①
第10回目 児童福祉分野における心理社会的課題と支援②
第11回目 家庭福祉分野における心理社会的課題と支援
第12回目 高齢者福祉分野における心理社会的課題と支援①
第13回目 高齢者福祉分野における心理社会的課題と支援②
第14回目 障害者福祉分野の心理社会的課題と支援
第15回目 授業のまとめと期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
主に講義形式の授業であるため,ノートテイキングを通した内容理解に努める。講義内で質疑応答を設けたり,グループワークを実施する場合もあることから,自らの考えを発表するよう努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義資料は全てwebclass上にアップロードするため,事前にダウンロードすることで予習は可能である。また,講義資料や【テキスト・参考書】に示す文献を授業前後に読むことで,授業内容の理解を深めることが期待できる。

【成績の評価】
・基準
 「授業参加点」,「中間試験」,「期末試験」の合計得点に応じて,【授業の到達目標】に示した①~④の達成度合いを下記のように評価する。
90-100点:到達目標を達成し,きわめて優秀な成績をおさめている
80-89点:到達目標を達成し,優秀な成績をおさめている
70-79点:到達目標を達成している
60-69点:到達目標を最低限達成している
60点未満:到達目標を達成していない(不合格)
・方法
 各授業への出席(カードリーダーで確認)および各授業の内容理解を確認するためのリアクション・ペーパー等を含む「授業参加点」(20点),「中間試験」(40点),「期末試験」(40点)で評価する。
 なお,出席およびリアクション・ペーパーの提出は1-7回目,9-14回目それぞれの授業回の2/3以上を必須とし,かつ中間試験および期末試験を受験することを成績評価の要件とする。出席およびリアクション・ペーパーの提出が上記の2/3を未たない,あるいは中間試験および期末試験のいずれか一方が未受験の場合は不合格とする。リアクションペーパーは,WebClass上で課す。

【テキスト・参考書】
 以下は自己学習時の参考文献として示す。その他の文献は講義資料内で引用文献として示す。
・井上智義 (2004). ライブラリ実践のための心理学9 福祉の心理学 サイエンス社
・村瀬 嘉代子・森岡 正芳・日詰 正文・増沢 高 (2015). 臨床心理学 シリーズ・今これからの心理職⑤ これだけは知っておきたい 福祉領域で働く心理職のスタンダード 第15巻第5号 89 金剛出版
・中島 健一 (編著) (2018). 第17巻 福祉心理学(公認心理師の基礎と実践) 遠見書房 など

【その他】
・学生へのメッセージ
 まずは,授業内容から基礎知識を習得してください。そのうえで,疑問に思った点を自ら調べたり,質問したりして,主体的に学習を深めていくことを期待します。
 また,本授業は扱う内容が広範囲に及びますので,授業時間外の学習を積極的に行うことを推奨します。なお,「科目の位置付け」で述べた通り,公認心理師の受験資格に関わる科目であり,比較的専門的な内容になります。この点を熟考したうえで,履修をご検討ください。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問がある場合には,授業後にお声がけいただくか,メールでお問い合わせください(メールでのお問い合わせは,WebClass上のメールサーバーを介して行ってください)。

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