【授業の目的】
本授業の目的は,公認心理師の業務の一つである,「心理に関する支援を要する者に対する,その心理に関する相談及び助言,指導その他の援助」に必要な最低限の知識および技能の習得である。心理支援では,良好な治療関係を土台に,支援を要する方の状態や状況に即した支援を調整・提供することとなる。そのため,心理支援を成立させる基本的コミュニケーションやそこでの情報の取り扱い方のほか,代表的な心理支援の理論や技法などを学ぶ。
【授業の到達目標】
本授業の到達目標は,次の4点である。 ①治療関係を成立させるための基本的な姿勢や態度,コミュニケーション法を判断できる。(知識・理解) ②心理支援を通して知り得た情報の扱い方を判断できる。(知識・理解) ③心理支援に関する代表的な理論および技法を対比したり,関連づけたりすることができる。(知識・理解) ④心理支援に関する代表的な理論および技法の適応や限界を指摘できる。(知識・理解)
【授業概要(キーワード)】
心理療法,カウンセリング,コミュニティアプローチ,エビデンス・ベースト・アプローチ,個人情報・要配慮個人情報,守秘義務,アウトリーチ,コンサルテーション,心の健康教育
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本授業は,地域社会における心身の健康に関する諸課題についての基本的知識や課題解決のための実践力を身につけるための科目であり,公認心理師の受験資格に関わる単位である(地域教育文化学部文化創生コースのカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
主に講義形式の授業であるが,講義内で質疑応答の時間を設けたり,グループワークを行なったりすることもある。
・日程
※順番が前後したり,内容によっては次回に持ち越したりする可能性がある
第1回目 オリエンテーション(心理学的支援とは,講義の進め方等) 第2回目 心理療法およびカウンセリングの効果と限界 第3回目 心理支援におけるプライバシーへの配慮 第4回目 関係づくりのためコミュニケーション:クライエント中心療法の観点から 第5-7回目 個人への介入に関する理論と技法①(精神分析的/力動的心理療法,認知行動療法) 第8回目 第1~7回目までの中間試験 第9-10回目 個人への介入に関する理論と技法②(認知行動療法) 第11-14回目 集団・社会への介入に関する理論と技法(家族療法,コミュニティアプローチ) 第15回目 授業のまとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を中心としながらも,適宜,視聴覚教材による観察学習や体験的理解を促すための演習を行う場合もある。そのため,講義資料の内容理解とともに,観察学習や演習には能動的に取り組み,知的理解を体現できるように努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義資料は全てwebclass上にアップロードするため,事前にダウンロードすることで予習は可能である(ただし,講義資料を事前公開することで講義時の演習に差し支えがある場合には,事前公開は一部にとどめたり,授業当日に公開する場合がある)。また,講義資料に示す文献を授業後に読むことによって,授業内容の理解を深めることが期待できる。
【成績の評価】
・基準
「授業参加点」,「中間試験」,「期末試験」の合計得点に応じて,【授業の到達目標】に示した①~④の達成度合いを下記のように評価する。 90-100点:到達目標を達成し,きわめて優秀な成績をおさめている,80-89点:到達目標を達成し,優秀な成績をおさめている, 70-79点:到達目標を達成している,60-69点:到達目標を最低限達成している,60点未満:到達目標を達成していない(不合格)
・方法
各授業回への出席(カードリーダーで確認)および各授業回の内容理解の確認のためのリアクションペーパー等を含む「授業参加点」(20点),「中間試験」(40点),期末試験(40点)で評価する。 なお,出席およびリアクションペーパーの提出は,1-7回目,9-14回目それぞれの授業回の2/3以上を必須とし,かつ中間試験および期末試験を受験することを成績評価の要件とする。出席およびリアクションペーパーの提出が上記を満たない,あるいは中間試験と期末試験のいずれか一方が未受験の場合は不合格とする。リアクションペーパーは,WebClass上で課す。
【テキスト・参考書】
講義資料に引用文献として示す。
【その他】
・学生へのメッセージ
まずは,授業内容から基礎知識を習得してください。そのうえで,疑問に思った点を自分で調べたり,質問したりして,主体的に学習を深めていくことを期待します。 なお,「科目の位置付け」で述べた通り,公認心理師の受験資格に関わる科目であり,比較的専門的な内容になります。この点を熟考したうえで,履修をご検討ください。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問がある場合には,授業後に直接お声かけいただくか,メールにてお問い合わせください(WebClass上のメールサーバーを介して行ってください)。
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