【授業の目的】
3つのプログラム(文化人類学、認知情報科学、文化解釈学)の担当教員が、各学問分野の概要、研究手法、必要とするスキルなどを解説するとともに、各専門の視点から、「日本社会」の諸問題について、「人間」と「社会」をキーワードとして、どのようにアプローチして課題解決に結びつけていくのかを考察して論じます。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、 ① 3つのプログラムの各学問領域の体系や特色、全体像を理解できる【知識・理解】。 ② それぞれのプログラムの視点から、日本社会について考察し、論じることができる【態度・習慣】。
【授業概要(キーワード)】
日本社会、アンデス考古学、文化人類学、認知科学、情報科学、行動科学、哲学、芸術文化、表象文化
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
カリキュラムポリシーとの関連については、「カリキュラムマップ」を参照し、よく理解した上で受講してください。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
各プログラムの研究内容についての説明、および日本社会についての議論を講義形式で行います。
・日程
第1回 初回ガイダンス 講義の概要について説明します。また,これからの大学生活を送る上で必要なストレスマネージメント,SOSの出し方教育についてお話しします。
------------- 第I部:文化人類学プログラム --------------------------------- 第2回 文化人類学/他者をとおして自己を知る(担当教員:松本剛)世界各地での研究事例を引用しながら、人間社会の多様性を垣間見るとともに、異文化理解を通じて自文化を相対化し、自己を理解することの重要性についてお話します。 第3回 アンデス考古学/「文明」とはなにか(担当教員:山本睦)わたしたちが日常的にも用いる「文明」という概念や、文明を研究する意味などについて、考古学の観点から考察します。 第4回 考古学からみた日本社会/考古学と現代社会(担当教員:庄司一歩)考古学的な手法で過去の社会が復元される方法やその背景について理解するために、日本における考古学研究の展開について学ぶとともに、現代社会と考古学の関係について考えます。 第5回 文化人類学と考古学からみた日本社会/文化人類学的思考で日本を考える(担当教員:荘司一歩、松本剛、山本睦)日本あるいは山形県の事例をもとに文化人類学的な思考方法の特徴やその意義、魅力について解説します。
------------- 第II部:認知情報科学プログラム --------------------------------- 第6回 情報科学と日本社会(担当教員:本多薫)情報科学は、情報処理やコンピュータ技術だけではなく、人間とコンピュータとの関りや情報社会が人々に及ぼす影響の測定や予測します。講義では、情報科学の概要や日本社会における情報化の現状を解説します。 第7回 AI・データサイエンスと日本社会(担当教員:脇克志)AI・データサイエンスは、現代社会の広い分野での活用が進み日本社会の様々な課題を解決する上で欠かすことの出来ない技術となっています。この講義では、AI・データサイエンスが現代社会の中でどのように活用されているのかを業種ごとに解説します。 第8回 ストレスと日本社会(担当教員:小林正法) ストレスに関する基礎知識とストレスへの対処方法といったストレスマネイジメントについて説明し,日本社会で蔓延するストレス問題について解説します。 第9回 認知機能と日本社会(担当教員:大杉尚之)人間の認知機能についての基本的説明とともに、日本社会の文化、環境、状況によって認知機能がどのように変化するかを解説します。
------------- 第III部:文化解釈学プログラム ---------------------------------- 第10回 哲学と日本社会(担当教員:清塚邦彦)私たちが属している「日本」という共同体について哲学の観点から考えます。政治哲学における共同体主義、自己同一性(アイデンティティ)をめぐる物語主義の考え方を中心に解説します。 第11回 芸術文化と日本社会(担当教員:石澤靖典)明治期の日本で成立した洋画(西洋風絵画)を取り上げます。高橋由一の写実論や黒田清輝の裸体論争を通して、日本が近代化の過程で直面することになった、芸術と社会との新たな関係性について考察します。 第12回 表象文化と日本社会①(担当教員:大久保清朗)「映画から見る日本」をテーマに、①日本映画における日本表象、②海外における日本イメージの問題を取り上げ、解説します。 第13回 表象文化と日本社会②(担当教員:柿並良佑)「日本」というイメージのまとまり(=表象)はどのようにして可能になるのか。SNSなど、私たちが普段接するメディアに氾濫する視覚的・言語的表象を取り上げながら、「想像の共同体」を考えるための理論的ツールについて解説します。
第14回 教員と学生の座談会(担当教員:大久保清朗、松本剛、小林正法、他)学生から寄せられた質問やコメントを取り上げ、教員が自由にレスポンスすることで、全 12回の授業を振り返り、この講義を締めくくります。この講義内で1回以上の質問をした学生はエキストラクレジットによる加点を行います。
第15回 全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
ただ漠然と受講するのではなく、扱われるテーマや問題などを⾃分にひきつけながら聞いてください。質問やコメントはいつでも歓迎します。質疑応答やディスカッションが行われる場合には積極的に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
興味をもった分野やテーマなどについて、さらに理解を深めるために、図書館やインターネットを利用して調べ物をしたり、関連文献を読んでみたりするとよいでしょう。
【成績の評価】
・基準
① 出席によって、主体的な参加の度合いを評価します。 ② レポートの執筆によって講義で得た知識を活用して論文を執筆する能力(理解の度合いと汎用的技能の修得の度合い)を評価します。プログラムごとに(第I、II、II部の最初に)、レポート課題(1,000字程度)を課しますので、それらすべてをWebClassにて提出してください。
・方法
出席ポイント(10%)とレポート課題のポイント(30+30+30%)の合計をもって総合評価とします。 第14回の授業で1回以上の質問をした学生はエキストラクレジットとして加点をします。
【テキスト・参考書】
必要に応じて、各講義で資料を配付します。また、参考図書などについても随時紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
毎回の出欠確認は、カードリーダーによる出欠情報システムを利用して行います。各教員は出欠を取りませんので、学生証を必ず忘れずに持参してください。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーについては、各教員が開講している他の授業のオフィス・アワーの時間帯・場所を参照してください。
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