【授業の目的】
《日本語音韻史入門》 「一ぱい、二はい、三ばい…」。同じ「杯」なのに、なぜ読み方が異なるの?「私は」はなぜ「ワタシワ」なの?「反応」はなぜ「ハンノウ」なの?…日本語の発音には「不思議」が本当に多いですね。実はこのような「不思議」は、日本語音韻の歴史的変化に起因していることが多いのです。この授業では日本語音韻史を学びながら、さまざまな日本語の発音の「不思議」を解明していくことにしましょう。
【授業の到達目標】
日本語音韻の歴史的変遷に関する知識を習得できる。また現代日本語の「不思議」な発音について説明できるようになる。そして言葉に対する興味を持つようになる。
【授業概要(キーワード)】
日本語,音韻,言語史,仮名遣い
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、人文学の専門知を体系的に修得させるために編成される科目です。(人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 10.人や国の不平等をなくそう
【授業計画】
・授業の方法
配布プリントとパワーポイントによる講義を行います。講義終了時に課題(ミニレポート)を出し、後日WebClassで回収します。
・日程
第1回 わたしはがっこうへ―ハ行転呼音 第2回 一ぱい、二はい、三ばい―漢字音 第3回 は、ば、ぱ―清音と濁音 第4回 さしすせそ、たちつてと―子音の音価 第5回 ざじずぜぞ、だぢづでど―四つ仮名 第6回 りっしゃくじ?りゅうしゃくじ?(立石寺)―漢字音の入声 第7回 はんのう(反応)―連声 第8回 さんがい(三階)―連濁 第9回 ごはんを―仮名遣い 第10回 いろは歌47(フォーティーセブン) 第11回 あいうえお―五十音図 第12回 てふてふ―字音仮名遣い 第13回 ウマは和語?漢語? 第14回 マンジュウは何語? 第15回 期末テストと授業のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義ではパワーポイントを用いる他、適宜必要事項を黒板に記していきます。また口頭で補足することもあります。それらの情報について、適宜要領よくノートを取ってください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
[予習のあり方]参考書にあらかじめ目を通しておいてください。 [復習のあり方]授業終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、各自の回答、および質問事項、感想等を記して、WebClassに提出してください。
【成績の評価】
・基準
主体的な参加、知識の修得、理解、汎用的技能の修得の四つの度合いで評価します。基準は1) 現代日本語の「不思議」な発音について説明できているか、2) 日本語音韻の歴史的変遷に関する知識を習得できているか、です。
・方法
①ミニレポート(30%)、②期末テスト(70%)の2つで評価します。
【テキスト・参考書】
[参考書] 飛田良文他編『日本語学研究事典』(明治書院、2007)\30,800 日本語学会編『日本語学大辞典』(東京堂出版、2018)\41,250
【その他】
・学生へのメッセージ
日本人(日本語母語話者)にとっては「当たり前」のような事象も、日本語を外国語(第二言語)として学ぶ外国人(日本語非母語話者)にとっては、とんでもなく難しく感じることがあります。これからの国際化社会を生き抜くためにも、日本語のこのような事象を説明できるようになっておきましょう。
・オフィス・アワー
火曜日 13時~17時 中澤研究室(人文社会科学部1号館4階414号室) アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(WebClassまたは電子メールで予約すること。)
|