【授業の目的】
哲学研究にはいろいろなスタイルがあって、先端的な科学研究に密着した高度に専門的な知識を前提した研究もあれば、何の予備知識も必要なく、ただ好奇心と根気さえあればついて行ける議論もあります。この講義では、後者の部類に即して、だれもが一度は意識したことがある素朴な疑問を入口として哲学の伝統的な主題に触れ、基礎的な概念や命題について理解を深めるための入門的な講義を行います。
【授業の到達目標】
(1)哲学においてどのような問題がどんな仕方で論議されてきたかについて基礎的な理解を身につけ、かつ表現することができる。 (2)それを踏まえ、自らの思索や対話・討論を通じてみずから多様な問題について考えを深めることができる。
【授業概要(キーワード)】
哲学、倫理学、美学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,現代の思想的状況について哲学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラムポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
原則的には毎回一話完結の形で哲学の諸問題を順次取り上げていきます。また、講義とは別に、学期中に2回ほど、小レポートを踏まえたグループディスカッションの回を設け、問題についてのより主体的な理解を深めます。
・日程
初回のガイダンスの後、第2回目以後は、哲学の様々な分野の中から毎回一つずつテーマを選び、紹介・検討を行います。日程についての現時点での暫定案は以下の通り。
第2回:言葉の意味、他人の心 第3回:機械と心 第4回:ディスカッション 第5回:快楽に真贋はあるか?(経験機械をめぐって) 第6回:人格の同一性 第7回:時間とは何か? 第8回:死 第9回:ディスカッション 第10回:知覚 第11回:知識 第12回:宿命論 第13回:贋作でなぜ悪いのか? 第14回:芸術の美と自然の美 第15回:まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義の際に疑問点があれば質問して確認すること。 授業の中で質問・意見を募ったり、ランダムに指名して質問する場合があります。また、出席確認もかねて所定の設問についての意見を記入してもらうことがあります。その種の意見表明の場も活用することで、授業内容をより能動的に消化してもらえることを期待しています。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
毎回、講義資料をWebClassにアップロードするので、授業後、資料に改めて目を通して内容を再確認し、疑問点や自分の考えを整理しておくこと。また、必要に応じて関連文献・資料を調べ、考えること。 目安として、平均して一回当たり30分~1時間の予復習時間を想定している。
【成績の評価】
・基準
主体的参加の度合い、知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の度合いの4点を基準に評価を行う。 授業のさいの発言等、および論述式のレポートにより、《主体的な参加度》、講義で取り上げた基本的な諸概念と諸命題に関する《知識》と《理解》、ならびに論理的な思考力・表現力(《汎用的技能の修得》)を評価する。
・方法
以下のような配分で採点評価を行います:平常点20点+期末筆記テスト他(中間小レポート+期末筆記テスト)80点。
【テキスト・参考書】
テキストは特に指定しない。毎回,プリントを配布し,それに基づいて講義を行う。
参考書は随時指示しますが、全般的なものとして以下を挙げておきます。 スティーブン・ロー『考える力がつく哲学問題集』(ちくま学芸文庫、2013年) 野矢茂樹『哲学の謎』(講談社現代新書、1996年) トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと』(昭和堂、1993年) バートランド・ラッセル『哲学入門』(ちくま学芸文庫、2005年)
【その他】
・学生へのメッセージ
出席確認はICカードを用いて行います。また、それとは別に毎回質問・感想用紙への記入を求めます。(オンライン授業となった場合には、毎回簡単な出席レポートをウェブクラスに提出願います。)
・オフィス・アワー
場所:人文社会科学部1号館4階清塚研究室 火曜日 14:40-16:10
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