文化人類学特殊講義b
 Topics on Cultural Anthropology b
 担当教員:松本 剛 (MATSUMOTO Go), 山本 睦 (YAMAMOTO Atsushi), 荘司 一歩 (SHOJI Kazuho)

 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年, 4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
言語は、人間の知覚や思考にどのような影響を与えているのだろうか。言語が異なれば、世界の見え方や考え方も異なるのだろうか。それとも、言語が異なっても、知覚や思考の仕方は変わらないのだろうか。こうした疑問に対して、世界各地の民族や文化に関する具体的な事例にもとづいて、人類学および隣接学問(言語学・心理学など)が進めている研究について概観する。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、世界の諸民族における言語・思考・認識のあり方について議論できる。また、言語をめぐる諸問題を通じて、異文化を分析するための視座を得るとともに、人類学の研究方法について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
言語、知覚、思考、ソシュールの言語理論、分類、時空間、身体、動作、色、色名論争、言語相対論、サピア=ウォーフの仮説

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、言語や認識、思考のあり方について人類学の観点から論理的に分析することで、現実社会に関する理解を深め、現代社会で活躍するために必要な知識と教養を身に付け、他者や異文化への柔軟な理解力を養成するために編成される科目である。(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
テキストの精読を前提に、講義を実施する。世界の諸民族における言語・認識・思考のあり方に関する具体的な事例について解説する。それぞれの事例に関する理解を深めるために、授業中に質疑応答を行う。
・日程
1) 言語人類学事始め
 文化とはなにか
 言語とはなにか
2) 人間は分類したがる生き物
3) 言語は文化による構造物か、それとも自然の遺産か
4) 文明の進んだ言語のほうが複雑か?
5) 言語相対論をめぐる論争について
※ 授業の深度や履修学生の理解度に応じて変更の可能性あり。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・漠然と講義を受けたり、発表を聞くだけでなく、積極的に質疑応答に参加する。
・授業で扱われた事例を自分の日常生活に照らし合わせて考えてみる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・授業で扱うテキストを授業前に熟読するとともに、疑問点をまとめておく。
・授業の内容を思い浮かべながらノートを整理するとともに、関連のある参考書を繰り返し読み理解を深める。

【成績の評価】
・基準
授業中の質疑応答およびレポート課題の内容により、①参加の度合い、②知識の修得・理解の度合い、③分析技術の修得の度合い、④論理的思考力・文章表現力を評価する。
・方法
平常点 (20%)、レポート課題の発表・提出 (80%) の評価項目の得点の合計をもって評点とする。

【テキスト・参考書】
・井上京子 1998年 『もし「右」や「左」がなかったら:言語人類学への招待』 大修館書店
・今井むつみ 2010年 『ことばと思考』 岩波新書
・Deutscher, Guy. 2010. Through the Language Glass: Why the world looks different in other languages. Arrow Books
・McWhorter, John H. 2014. The Language Hoax: Why the world looks the same in any language. Oxford University Press

【その他】
・学生へのメッセージ
休講および補講を行う可能性がありますので、WebClassでのお知らせに注意してください。
・オフィス・アワー
・水曜日11:00~12:30(人文社会科学部3号館8階 松本剛研究室)
・連絡先:gocito@human.kj.yamagata-u.ac.jp
・事前に電子メールでアポイントメントをとること。

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