アンデス考古学特殊講義a
 Special Lecture on Cultural Anthropology a
 担当教員:荘司 一歩(SHOJI Kazuho),山本 睦(YAMAMOTO Atsushi),松本 剛(MATSUMOTO Go)
 担当教員の所属:人文社会科学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「モノから社会を語るには―考古学的方法論の活用」
考古学は遺跡に残される物理的証拠をもとに人間の行動を復元し、社会を議論するための方法を培ってきました。この授業では、考古学的方法論を学ぶとともに、そこからどのように過去の社会を議論することができるのか、その手法と考察の方法を学びます。端的に言えば、モノを手掛かりにどのように社会を議論するべきかという、データや分析方法と解釈や考察をつなげる方法を身に付けることを目的とします。アンデス考古学に限らず考古学全般と多様な学問領域を横断する視点から考古学研究の基礎的な思考方法を理解できるようになることを目指します。

【授業の到達目標】
多様な考古学方法論の基礎的な知識を習得し、理解できる。【知識・理解】
考古学的方法論を用いて過去の社会を議論するための基本的な思考方法を身に付ける。【知識・理解】【技能】
自身の関心にしたがって過去の社会を議論するうえで、適切な方法を論理的に批判・検討し、必要なデータと方法を立案することができる。【技能】【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
考古学、物質文化、文化人類学、社会、考古科学、文化財科学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,人間の多様性や普遍性について、とくにアンデス考古学や文化人類学の視点から論理的に考察し、異文化(あるいはそれを通じて自己)を理解する視点や方法、手がかりを身につけるために編成される科目である。(人文社会科学部人間文化コースのディプロマ・ポリシー DP3)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
授業はパワーポイントを用いた講義形式でおこないます。理解を助けるために映像資料などを多用します。
・日程
1.ガイダンス (講義の流れと評価方法など)
2.どんな方法が必要か①:プロセス考古学とポストプロセス考古学
3.どんな方法が必要か②:行動考古学と社会実践論
4.遺跡形成論と堆積学
5.土器を読む①:ものさしと文化交流
6.土器を読む②:使用痕と製作痕、実践コミュニティ論
7.石器を読む①:破壊力学と石器製作技術
8.石器を読む②:石器使用とモノのライフヒストリー
9.動物考古学:人間と環境を考える
10.資料生成論:タフォノミーとアセンブリッジ、共時性と通時性
11.モノの移動:地域間交流とキャッチメントエリア
12.古人骨を読む:形質人類学と生活誌
13.同位体地球化学と生態学①:生きものの履歴
14.同位体地球化学と生態学②:しましまと古環境
15.まとめ:痕跡の科学から社会の科学へ
※理解度や質問・コメントなどに応じて授業の進行や日程を調整することがあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
ただ漠然と授業をうけるのではなく、問題を自分にひきつけながら講義を聞いてください。質問やコメントはいつでも歓迎します。質疑応答やディスカッションには積極的に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
配布するプリントや自分でまとめたノートなどを使って学習してください。参考書の関連する章などを読むと、より理解が深まるでしょう。授業であつかった内容について、図書館やインターネットなどで調べてみましょう。

【成績の評価】
・基準
授業中の質疑応答やコメントペーパー、期末レポートによって、知識の修得、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて評価します。評価基準は、様々な考古学的方法論について理解し、物質研究から社会を考察する手法を批判的に検討し、自分の言葉で説明できることとします。
・方法
平常点(40%:授業中の質疑応答、コメントペーパーをふくむ)と期末レポート(60%)で評価します。
授業中の質疑応答やコメントペーパーによって加点することがあります。

【テキスト・参考書】
参考書
コリン・レンフルー、ポール・バーン 2007『考古学―理論・方法・実践』(池田 裕/常木 晃/三宅 裕 監訳 松本 建速/前田 修 訳)東洋書林
アレ・ツィルク 2020『石の目を読む―石器研究のための破壊力学とフラクトグラフィ』(上峯篤史 訳・編)京都大学学術出版会
佐々木憲一・小杉康・菱田哲郎・朽木量・若狭徹 2011『はじめて学ぶ考古学』有斐閣アルマ

【その他】
・学生へのメッセージ
授業で扱ったテーマを、常に自分にひきつけて考えてください。また、それを通じて、自分や自分がいる社会について考えてみましょう。
・オフィス・アワー
木曜日13:00~14:30 (荘司一歩研究室、人文学部3号館7階702)
これ以外の時間帯での面談も可能です。その場合は必ずメールでアポイントを取ってください。

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