【授業の目的】
本講義においては、古代中世移行期としての平安期日本を、寺院史の見地から論究する。その営みを通して、日本古代史に関する専門的知見を習得するともに、古代史研究がいかなる特性を持ち、いかなるプロセスを経て行われるか、理解および認識を深めることを目的とする。また、それにより、受講生が自立的に古代史に関する探究に取り組めるようになることを目指す。
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は、 (1)日本古代史に関する専門的な知識を有し、自らの設定したテーマについて、論理的・批判的に考察することができる。[知識・技能] (2)講義内容を手掛かりに自らの興味のあるテーマを設定し、文献やデータベースをもとに調査を行うことができる。[技能・習慣] (3)調査の成果を論理的な文章にてまとめることができる。[技能・態度]
【授業概要(キーワード)】
日本古代史、平安時代、寺院、仏教、僧侶、学術論文、史料読解
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、日本古代史研究に関する専門的な知見と研究手法の習得を通じて、人文学の専門領域について中核となる学術的成果を修得するとともに、自ら文化資源や問題を発見し、論理的・批判的思考の結果を意見としてまとめることができるようになることを目的とする専門展開である。(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
教員が作成したレジュメをもとに、各回のテーマについて論じる形で講義を進める。毎時の講義の終盤には、コメントペーパーの提出を求め、講義内容の習得の度合いや、論理的思考力を確認する。レジュメの配布やコメント提出はWebClassを通じて行う。
・日程
第1回:ガイダンス 第2回:古代中世移行期における寺院史研究の成果と課題 第3回:平安期における密教寺院史研究の成果と課題(1) 第4回:平安期における密教寺院史研究の成果と課題(2) 第5回:平安貴族社会と寺院(1) 第6回:平安貴族社会と寺院(2) 第7回:平安貴族社会と寺院(3) 第8回:中間まとめ・学期末レポートの準備の仕方 第9回:平安期における密教寺院と僧侶集団(1) 第10回:平安期における密教寺院と僧侶集団(2) 第11回:平安期における密教寺院と僧侶集団(3) 第12回:平安京・平安京周辺の寺院と法会(1) 第13回:平安京・平安京周辺の寺院と法会(2) 第14回:平安京・平安京周辺の寺院と法会(3) 第15回:講義のまとめ 上記の日程にて進行する予定だが、受講生の問題関心などに応じて、上記の内容とは異なるテーマを扱うこともあり得る。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教員が解説する個々のテーマについて、知識として習得することも大切だが、それとともに、それを支える思考のプロセスや研究手法を理解すべく努めること。こと自身の関心のあるテーマの探求に本講義の受講成果を繋げるためには、後者の姿勢が肝要になる。また、レジュメはあくまで要点に絞って作成されるので、口頭で解説した内容を適宜レジュメに書き入れ、自ら振り返りができるようにしておくのが望ましい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本講義では下記の課題等を課す。単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組まれたい。 (1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりである。 【4.5】時間/週 (注)大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められている。 (2)講義内で紹介された参考文献をもとに、講義内容をよく復習すること。 (3)自身の関心のあるテーマにアンテナを張り、専門書の読書体験を積むこと。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標に沿って、以下の3点を満たすことをもって、合格の基準とする。 (1)日本古代史に関する専門的な知識を有し、自らの設定したテーマについて、論理的・批判的に考察することができる。 (2)講義内容を手掛かりに自らの興味のあるテーマを設定し、文献やデータベースをもとに調査を行うことができる。 (3)調査の成果を論理的な文章にてまとめることができる。
・方法
コメントペーパー:30点 期末レポート:70点
【テキスト・参考書】
テキスト:WebClassを通じてレジュメを配布する。 参考書: 黒田俊雄『寺社勢力―もう一つの中世社会―』(岩波新書、1980年) 吉村武彦・吉川真司・川尻秋生編『古代寺院 新たに見えてきた生活と文化(シリーズ古代史をひらく)』(岩波書店、2019年) 上川通夫『平安京と中世仏教 王朝権力と都市民衆』(吉川弘文館、2015年) その他の参考文献については、適宜講義内において紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
・講義を通じて、わからないことや疑問におもったことがあれば、遠慮なく質問すること。 ・本講義を受講する際には、日本古代史概論などを通じて、日本古代史に関する基礎的な知識を習得していることが望まれます。これらが履修済ないし履修中であることを想定して講義を進行します。不安な人は初回のガイダンス相談してください。 ・講義にはノートPCやタブレットを持参することをおすすめします。 ・日本古代史分野で卒業論文を執筆しようとしている者は、原則として、3年時までに本講義を受講しておくこと。
・オフィス・アワー
火曜日:12時30分~14時30分(人文社会科学部1号館4階 佐藤真海研究室) 会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。また、上記時間外でも相談を受け付けますが、その際も事前に予約してください。
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