内陸アジア史特殊講義a
 Topics on Inner Asian History (a)
 担当教員:中村 篤志(NAKAMURA Atsushi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分:教職科目 
【授業の目的】
 本年度は、17-20世紀のモンゴルを対象に、清朝によるモンゴル統治がいかに展開され、地域社会がその清朝支配をいかに受け止めたのかを多角的に検討する。
清朝の地方統治、とくに文書行政や官僚制の仕組みや、近代・現代に至る社会的影響などをテーマに、同時代の中国との比較、前近代と近現代との比較なども織り交ぜながら、東アジアにおける王朝支配の特質について考察する。

【授業の到達目標】
(1)内陸アジア史に関する専門的知識や、講義で設定したテーマについて深く理解し、論理的に記述することができる。
(2)講義を手がかりに、自分で通時代的・地域横断的なテーマを設定し、文献を調べ、分析することができる。

【授業概要(キーワード)】
モンゴル史、清朝、王朝支配、官僚制

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:51~75%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業は、内陸アジア史を題材に、人文社会科学の専門領域(歴史学)について中核となる学術的成果を修得し、これに関して問題を発見し、論理的・批判的思考の結果を意見としてまとめることができるようになるための科目です(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
基本的には講義形式で行うが、受講者との応答を重視する。講義内容も受講者からのコメントに応じて柔軟に調整する。原則対面で行うが、一部オンライン(zoom, オンデマンド)を併用する場合がある。
・日程
導入:現代のモンゴル国:遊牧と都市
※外部講師を招いた講演会形式(場合によってzoomによる遠隔授業)を予定
Ⅰ,問題の所在:地域社会へのアプローチ
Ⅱ: 清朝支配と中国地域社会
(1)明末清初の政治変動と地域社会
 (2)地域社会における“合意”形成
Ⅲ:清朝支配とモンゴル社会
(1)清朝のモンゴル統治制度
(2)先行研究における地域像
(3)アシグ章京の訴訟とその背景
まとめ:地域社会をどうとらえるか
※講義中、期末レポートに向けて、テーマの設定の仕方、文献の調べ方、まとめ方などを学ぶ回を設けます。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 講義内容をきちんと復習し、不明な点は積極的に調べ質問すること。紹介された参考文献を中心に、できるだけ多くの文献を読むこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)単元毎の課題コメントで授業内容の理解度を確認します。ほかの学生のコメントも参考にして、理解が不足している部分は自分で調べ補ってください。
2)課題コメントを発展させ、期末レポートに向けて自分でテーマを決めて文献を調べ、分析を進めてください。

【成績の評価】
・基準
 授業の到達目標で示した2つの目標に対応し、下記の2つの条件を満たすことを合格の基準とします。
1)内陸アジア史に関する専門的知識や、講義で設定したテーマについて深く理解し、論理的に記述することができる。
2)講義を手がかりに、自分で通時代的・地域横断的なテーマを設定し、文献を調べ、分析することができる。
・方法
 主に単元毎に出す課題コメントの内容を評価する(40%)、基準2)については学期末レポートで評価する(60%)。

【テキスト・参考書】
各回の授業資料についてはWebClassにアップロードします。
以下は講義で取り上げる参考書です。
岡田英弘、神田信夫、松村潤『紫禁城の栄光:明・清全史』講談社(学術文庫) 、2006年。
寺田浩明『中国法制史』東京大学出版会、2018年。

【その他】
・学生へのメッセージ
 講義ではありますが、半分演習のような、自分で考え、調べることを重視します。もちろん、考え方、調べ方、まとめ方は授業中に丁寧に教えていきます。
・オフィス・アワー
火曜日 13時00分~14時30分 中村研究室(人文社会科学部1号館4階)
※上記時間外においても相談を受け付けますが、その場合は事前に連絡してください。連絡先は初回授業時にお知らせします。

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