日本近現代文学特殊講義a
 Topics on Japanese Modern Literature (a)
 担当教員:森岡 卓司(MORIOKA Takashi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分:教職科目 
【授業の目的】
【書簡体小説からの日本近代文学】
 日本文学研究における応用的知見の獲得を目指します。モチーフ/技法/批評的テーマの系列ごとにとりあげた日本近代文学の代表的なテクストについて、精緻な分析を行い、日本近代文学の特質を理解します。今回は、書簡体という様式(技法)を観点に設定し、それらに関連するテクストをとりあげます。

【授業の到達目標】
(1)文学研究における方法論を理解し自身の関心に基づいて応用できる。【技能】
(2)対象とする文学テクストの歴史的位置づけや特質を説明できる。【技能】
(3)同時代の文芸思潮やメディアの問題を含めた文学に関する多面的な理解に基づき、特定の文学テクストや文化現象の特質について独自の問題意識を示す論述ができる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
日本近代文学 書簡体小説

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業は、国語科教員として地域の教育を支えるために必要な専門的知識や技能を身に付けるための科目である(地域教育文化学部、児童教育コースのカリキュラム・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
配布資料に基づいた講述を中心とする。発言(小スピーチ)やレポートの提出を求めることがある。
・日程
1 ガイダンス 
2、日本書簡体小説研究史
3、書簡体からドキュメント形式へ(定義の応用的拡張)
4、樋口一様「軒もる月」概説
5、なぜ手紙はいつも破られるか
6、田山花袋「蒲団」概説
7、なぜ手紙はいつも書かれた以外のことを伝えるか
8、近松秋江「黒髪」概説
9、なぜ手紙はいつも宛先に届いてしまうか
10、江戸川乱歩「人間椅子」概説
11、なぜ手紙はいつも差出人不明か
12、松浦理英子「裏ヴァージョン」概説
13、なぜ手紙はいつも相互理解を進めないか
14、授業内まとめ
15、結論 なぜ全ての小説は手紙なのか

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・配布された資料をもとに、自分のノートを作成し、授業内レポートや期末レポートに備える。
・小スピーチや小レポートの提出には積極的に取り組む。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本科目では以下の課題等を課す。準備学修に必要な学修時間の目安は1時間/週。
・事前に指定されたテクストがある場合にはそれを読了する。
・中規模レポートの提出が要請された回では、確実にそれを準備する。
・期末レポートに備えて、ノートを用いて授業内容を整理し、授業内で取り上げられた作品や提示された参考文献のいくつかを読み通すことに挑戦する。

【成績の評価】
・基準
・授業内に扱う文学テクストの歴史的位置づけや特質を説明できる。
・特定の文学テクストの特質について独自の関心や問題意識を示す応用的な論述ができる。
以上の基準について、授業への参加の度合いと知識の修得及び理解、論理的思考とその表現という4点で評価する。
・方法
期末レポート(60%)、授業内レポート及び授業内活動に対する評価(40%) ただし、期末レポートについては、持ち込み可の試験に近い方法で提出を行うことがある。

【テキスト・参考書】
参照すべき文献は、基本的に、資料配布or授業内に指示、とするが、下記の作品については、事前に読了してから授業に参加することが望ましい。収録メディアは問わないので、書店、図書館、ウェブサイト等を積極的に活用すること。
 樋口一様「軒もる月」 田山花袋「蒲団」 近松秋江「黒髪」 江戸川乱歩「人間椅子」 谷崎潤一郎「秘密」

【その他】
・学生へのメッセージ
ほぼ毎回小レポートの提出があります。少しハードですが、日本近代文学に関する専門的な分析を一緒に学んでいきましょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問にこたえるオフィスアワーについては、月曜日14:40〜16:10 森岡研究室(人文社会科学部1号館4階425室)に設定する。ただし、その他の時間についても相談に応じる(メールなどでアポイントが必要)。

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