【授業の目的】
「西洋美術に見る〈芸術家〉のイメージ」 西洋美術の歴史において、作品の作り手である〈芸術家〉が、人々に、あるいは作家自身によってどのようにイメージされてきたかを概観します。これらを通し、芸術家が社会において果たしてきた多様な役割を理解し、〈芸術〉や〈芸術家〉という観念が歴史的に一定不変のものではなく、つねに時代風潮や作者の欲望を反映しながら変動する存在であったことを学びます。
【授業の到達目標】
〈芸術家(アーティスト)〉という言葉が意味する内容について、その歴史的な変化を理解し、各時代の美術家たちが、自らの職業の地位向上のためにどのような理論と実践を試みてきたかを理解できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
芸術家 自画像 職人 自意識 天才 近代的芸術家像
【科目の位置付け】
この授業は、文化的諸問題について西洋美術史の観点から論理的に分析し、解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
一回につき一つのテーマを割り当て、スライドを見ながら話を進めます。
・日程
以下の流れにそって、講義をおこないます。 1.ガイダンス 2.古代ギリシャ・ローマ ~ 職人としての芸術家 3~4.中世 ~ 機械学芸としての美術 5.ルネサンス(1) ~ 学識ある芸術家 6.ルネサンス(2) ~ 芸術家の想像力 7.ルネサンス(3) ~ 創造性の秘密 8.ルネサンス(4) ~ 芸術家の自己イメージ 9.ルネサンス(5) ~ 「画家」対「彫刻家」 10~11.バロックからロココへ ~ 制度化される芸術 12.新古典主義とロマン主義 ~ 天才としての芸術家像 13.近代美術 ~ アヴァンギャルド(美的前衛)の問題 14.現代美術 ~「芸術家」像の解体 15.まとめ
※進捗状況により一部内容を変更する場合があります。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
毎回、スライドで作品を提示しながら問題点を論じてゆきます。配布資料にはスライドで表示される内容のすべてが記載されているわけではないので、自分なりに要点をまとめノートをとるよう心がけてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義でとりあげた論点について、自分の関心のある作品や分野のなかで応用させ、つねに問題意識を発展させるよう心がけてください。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末試験により、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1) 美術作品の分析や理解に必要な視点や概念を把握している、2)芸術家の社会的地位と歴史背景の連動性を理解している、の二点です。
・方法
学習意欲は、出席状況や質疑応答への積極的な参加などにより判断します。筆記試験では授業の内容に対する理解度と論理的な文章構成力を評価します。
【テキスト・参考書】
テキストはとくに指定しません。毎回、参考資料を配布します。 それぞれのテーマごとに参考文献を授業内で紹介します。
【その他】
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)石澤靖典研究室(1号館4階)
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