【授業の目的】
日本近代文学研究に関する標準程度のスキル(文化状況把握のための資料探索、先行研究の収集と適切な整理、妥当性を持ったテクスト分析)を完成させた上で、特定のテーマ/作品に関する発展的な知見と応用的な思考力を身に着けることを目指す。この授業では太宰治の作品を扱い、同時代的な状況を含めた様々の言説と切り結びながら生成した文学テクストを読み解く力を身につける。
【授業の到達目標】
(1)指定されたテクストに対して、適切な資料調査及び先行研究における論点の整理を踏まえた独自の分析を執筆できる。【技能】【知識・理解】 (2)適切に整えられた資料に基づいた口頭発表ができ、他の受講生の発表に関する質疑応答に参加できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
資料作成 口頭発表 質疑応答
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、既に習得した文学研究の基礎的技能を活用し、高度な専門知と論理的思考力を身につけるための科目である。(人文社会科学部、人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)※日本文学基礎演習を履修したのちに受講することが望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
冒頭のガイダンスをのぞき、受講者による口頭発表と質疑応答を中心にすすめる。一日ひとりの発表を原則とするが、受講者数によって調整する。
・日程
下記は受講12名の場合のモデル。詳細は受講者数によって調整する。 1、ガイダンス 2、 概説(講義担当者) 3、田村俊子「女作者」 4、上司小剣「鱧の皮」 5、岡本綺堂「子供役者の死」 6、佐藤春夫「西班牙犬の家」 7、有島武郎「小さき者へ」 8、久米正雄「虎」 9、芥川竜之介「奉教人の死」 10、宇野浩二「屋根裏の法学士」 11、岩野泡鳴「猫八」 12、菊池寛「入れ札」 13、川端康成「葬式の名人」 14、葛西善蔵「椎の若葉」 15、まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表者は各自の担当回に責任をもって資料を作成し、報告をすること。他の参加者は主体的な質疑応答によって生産的な議論を行うこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本科目では以下の課題等を課す。準備学修に必要な学修時間の目安は1時間/週。 ・発表者以外の受講者は、事前に必要な文献をよんだうえで授業にのぞむこと。 ・発表資料の作成についてはガイダンスを参考に、図書館、cinii、国文学研究資料館DB等を充分に活用すること。 ・発表に対する質疑応答を整理し、それについて更に考察を加えることで、期末のレポートに備える。
【成績の評価】
・基準
・適切な資料調査及び先行研究における論点の整理ができるか。 ・適切に整えられた資料に基づいた口頭発表ができるか。 ・他の受講生の発表に関する質疑応答に参加できるか。 ・先行研究を踏まえた独自の分析を執筆できるか。 以上の基準について、授業への参加の度合いと知識の修得及び理解、論理的思考とその表現という4点で評価する。
・方法
評点(100点満点)の内訳は、発表と質疑応答50点、期末レポート50点
【テキスト・参考書】
必ず入手すべきテキストとして、岩波文庫『日本近代短篇小説選 大正篇』(ISBN978-4003119136)を指定。
【その他】
・学生へのメッセージ
テキストの代金のほか、論文の入手や資料の印刷など、一定の経費(自己負担)がかかる。授業時間外の調査が重要になるので、他の授業との兼ね合いも考えて、発表の日程計画は慎重にたてること。 受講にあたっては「日本文学基礎演習」を履修し、日本文学に関する演習発表の手順を身につけていることが望ましい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問にこたえるオフィスアワーについては、月曜日14:40〜16:10 森岡研究室(人文社会科学部1号館4階425室)に設定する。ただし、その他の時間についても相談に応じる(メールなどでアポイントが必要)。
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