【授業の目的】
本演習は、山形県に残るさまざまな史料に実際に触れることを通じ、史料調査・整理・レスキューの方法、くずし字の読解など、史料を扱う上で必要な基礎的知識を修得するとともに、地域に存在する史料の歴史的価値を見出し後世に残す構えを身につけることを目的とします。
【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は、 1)地域の歴史史料を扱うために必要な基礎的知識を踏まえ、史料調査・整理を実践することができる【知識・理解】 2)地域に存在する史料の歴史的価値を見出し、それを後世に残すための構えを身につけることができる【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
地域歴史史料,史料調査,史料整理,史料レスキュー,くずし字,山形文化遺産防災ネットワーク
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、地域に残る歴史史料の調査・整理・レスキューの実践を通じて、現代的な課題、特に地域の課題に関して関心を持ち、課題解決のために様々な立場の人と意見交換をしつつ構想にまとめ、これを実行する能力を身につけることを目的とする専門展開科目(実践科目)です(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 11.住み続けられるまちづくりを 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
第1回・第2回の授業は、担当教員によるガイダンス・史料を扱うために必要な基礎的知識・方法に関する講義を行います。 第3回~第14回の授業は、山形県に残された、近世から近代にかけての史料群の写真撮影・目録作成を実践します。あわせて、県内のボランティア団体である山形文化遺産防災ネットワークの史料レスキュー活動を体験していただきます。 第15回の授業は、整理した成果を山形中心市街地で開催される「ななはく!」にて一般に向けて発表します。
・日程
第1回 ガイダンス 第2回 地域歴史史料に関する基礎知識 第3回~第14回 地域歴史史料の史料調査・整理実践 ※上記のうち2回分を山形文化遺産防災ネットワークの史料レスキュー活動にあてます。 第15回 「ななはく!」での成果発表
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
この授業は作業を実践することを重視しますので、根気強く積極的に臨むようにしましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は 4.5時間/週 です。 ※大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。 2)参考書や授業のなかで紹介した文献に目を通すことで、授業で扱った事柄に対する知識をさらに深めることができます。 3)県内のボランティア団体である山形文化遺産防災ネットワークのウェブページ(https://yamagatabunkanet.wixsite.com/index)にアクセスして史料レスキュー活動に関心を向けましょう。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した2つの目標に対応し、下記の2つの条件を満たすことを合格の基準とします。 1)地域の歴史史料の調査・整理を意欲的に実践することができる。 2)地域の歴史史料のレスキューの活動体験の成果を文章にまとめることができる。
・方法
授業への参加態度(70点):授業の出席の程度や、活動への参加態度から総合的に判断します。 レポート(20点):山形文化遺産防災ネットワークでの史料レスキュー活動についてのレポートを課します。 「ななはく!」への参加(10点):「ななはく!」での発表や活動内容を総合的に判定します。
【テキスト・参考書】
テキスト:特定のテキストは指定しません。適宜レジュメを配付します。 参考書:黒田智・吉岡由哲『草の根歴史学の未来をどう作るか ―これからの地域史研究のために―』(文学通信、2020年) https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000102747?7 地方史研究協議会編『日本の歴史を解きほぐす ―地域資料からの探求―』(文学通信、2020年) https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000090432?12 地方史研究協議会編『日本の歴史を原点から探る ―地域資料との出会い―(シリーズ・地方史はおもしろい 02)』(文学通信、2020年) https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000102759?13 →地域史料について深く学ぶためにはこれらの参考書がおすすめです。URLからウェブ上で閲覧可能です(同時1アクセス)。学外からのアクセスにはID・パスワードが必要です(https://www.lib.yamagata-u.ac.jp/yttop/e-resource_guide/authentication/)。 ※このほか、授業内で関連する文献を紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
山形文化遺産防災ネットワークの活動体験や「ななはく!」での成果発表は土日に行う場合があります。また、活動体験を学外で行う場合、交通費は参加者の自己負担になります。 成果発表を行う「ななはく!」については、下記のウェブサイトを参照してください。 https://cherry.yum-archives.net/nanahaku/
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問にこたえる「オフィス・アワー」を佐藤研究室(人文社会科学部1号館4階)において火曜日の12:30~14:30に、小幡研究室(人文社会科学部1号館4階)において月曜日の12:00~14:00に、石黒研究室(人文社会科学部1号館4階)において月曜日の13:00~15:00にそれぞれ設けます。 ※上記時間外においても相談を受け付けますが、その場合は事前に連絡してください。連絡先は初回授業時にお知らせします。
|