【授業の目的】
1)「パレスチナ/イスラエル問題」をテーマとする。両国間の紛争を理解するための背景知識を歴史的かつ理論的に獲得することを目的とする。2 2)パレスチナ/イスラエル国家形成史、宗教と民族関係、中東の地政治を主たる論点とし、歴史学と国際政治学の立場から世界を見通す方法を学ぶ。
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は 1)ユダヤ教/キリスト教/イスラム教/ユダヤ人/アラブ人に関する基本的理解を獲得し、これらの宗教・民族と正しく対面できる。 2)パレスチナ/イスラエル国家形成史に関する基本知識を得て、現状の紛争に関して歴史的背景を踏まえた討議ができる。 3)戦争と平和、宗教・民族対立、文化と偏見など現代世界を理解するために必要な国際政治学的・地政治学的な思考法を身につけ、世界情勢を自分で分析できる。 4)パレスチナ/イスラエル問題の帰趨について長期的に展望し、その見通しに立脚して、いま自分に何ができるかを、絶望することも飽きることも疲れてしまうこともなく考え続け、行動することができる。
【授業概要(キーワード)】
パレスチナ、イスラエル、中東、地政治、歴史学、国際政治学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,パレスチナ/イスラエル問題について歴史学と政治学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部のカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 02.飢餓をゼロに 03.すべての人に健康と福祉を 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
以下の日程にしたがって講義します。変更等についてはWebclassで通知するので確認を欠かさないでください。 配布資料はWebclassでの配信を原則とします。
・日程
★ガザ紛争、および国際政治の状況次第で授業内容に変更もありえます。 第1回 ガイダンス 第2回 中東/パレスチナ/イスラエル 第3回 アラブ人/パレスチナ人/ユダヤ人/イスラエル人 第4回 ユダヤ教/キリスト教 第5回 イスラームからみたユダヤ教/キリスト教 第6回 1492年:世界史の転換点、あるいは近代のはじまり 第7回 1897年:シオニズム元年、あるいはユダヤ人の創出 第8回 1917年:「アラブ人」対「ユダヤ人」民族関係の構築 第9回 1948年:NAKBA/イスラエル建国 第10回 1967年:アラブ・イスラエル紛争のパレスチナ化 第11回 1989年:冷戦体制の崩壊と中東の熱戦化 第12回 2001年:世界の単純化と中東の複雑化 第13回 ガザ/ハマス:地域秩序とテロリズム 第14回 まとめ:地域大国競存型世界秩序か新冷戦か 第15回 予備日
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で示されるパワーポイントおよび配布資料を参考に講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。 1時間/週 2)授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで自分なりに調べて,理解を深める努力が不可欠です。また図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い,自分の考えをまとめておくことを推奨します。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した、パレスチナ/イスラエル紛争に関わる諸問題の基礎的知識が正しく習得できているか、歴史的思考と政治学的考察に基づいた問題解決能力が十分身についているかについて毎回の質問ペーパーおよび学期末のレポートによって判定し、合格の基準とします。
・方法
質問ペーパー20点+学期末レポート80点。 毎回の講義後に提出する質問ペーパーと、学期末に提出する2000字程度のレポートによって、上記基準の到達度を判定し評価します。
【テキスト・参考書】
テキスト:指定しません 参考書:臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)、高橋和夫『パレスチナ問題の構図』(放送大学叢書)、酒井啓子『〈中東〉とは何か』(講談社現代新書)、その他講義中にも適宜紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
答えはみつからないかもしれません。でも、決して絶望することなく、学び、悩み、考え続けましょう、いっしょに。
・オフィス・アワー
学生からの質問・相談を受け付けるオフィス・アワーは金曜日の12時10分から12時50分です。人文社会科学部1号館の天野研究室までおいでください。その他の時間でも在室時なら随時受け付けます。また、Webclassやメールでの質問・問い合わせはいつでも歓迎します。
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