【授業の目的】
文学は古代から現代まで連綿と続く最古の芸術コンテンツの一つです。それは神の威厳を称える詩の形をとることもあれば、人間の愚かさを涙とともに笑い飛ばす喜劇の形を取ることもあります。人には「知りたい」という欲求があるのと同時に、自分の知見を文字にして誰かに伝えたいという表現欲求も持ち合わせているようです。なぜ我々は、文学に惹かれるのか?
本講義では4人の教員によるオムニバス形式で、各々の問題意識に根ざした文学作品を取り扱うことで、グローバル社会における文学の重要性とその研究方法の基礎を具体的に示すものです。
【授業の到達目標】
・グローバル・スタディーズにおける文学研究の意義を説明することができる ・文学読解を通して世界の諸問題の在り処を理解し、課題解決策を提示できる ・文学・文化研究に必要な基礎的スキルを身につける
【授業概要(キーワード)】
韻文、散文、ボーダーランド文学、文学理論、戯曲、芝居、世界の読解可能性
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この講義は、グローバル社会が孕む問題を文学理論の観点から論理的に分析し、その問題に対する適切な理解を促すために編成される科目である(人文社会科学部グローバル・スタディーズコースのDP5)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
4人の教員によるオムニバス授業です。必要に応じてスライド、映像、配布資料を使用します。
・日程
第一回 ガイダンス(摂津) 合田担当 第二回 文学へのアプローチ法(1):制度としての文学(ブルデュー) 第三回 文学へのアプローチ法(2):書物としての文学(ジュネット) 第四回 文学へのアプローチ法(3):読書としての文学(エーコ) 加藤担当 第五回 文学の読み方(1):詩を詠む・読む 第六回 文学の読み方(2):悪漢小説と教養小説 第七回 文学の読み方(3):産業革命と文学 天野担当 第八回 サイード/オリエンタリズム/ポストコロニアリズム(1):知識人とは何か 第九回 サイード/オリエンタリズム/ポストコロニアリズム(2):言説・知・権力 第十回 サイード/オリエンタリズム/ポストコロニアリズム(3):対位法的読解 摂津担当 第十一回 戯曲を読む(1):『オイディプス王』 第十二回 戯曲を読む(2):『乞食オペラ』と『三文オペラ』 第十三回 戯曲を読む(3):『作者を探す六人の登場人物』 全員担当 第十四回 授業の振り返り 第十五回 予備日
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
予習で1時間〜2時間程度。ミニッツペーパーを書く際は主張とその根拠を必ず書くこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各教員の指示に従うこと。基本的には、指定されたテキストを熟読して授業に臨むことが求められる。 期末レポートに備えて、気になった作品は自前で購入してぜひ座右の書としてほしい。
【成績の評価】
・基準
期末試験としてレポートを課します。このレポートと毎授業時に提出してもらうミニッツペーパーの内容から、グローバル社会や文学そのものが孕む諸問題を適切に理解し、他者に伝えられていることを合格の基準とします。
・方法
期末レポート50%、平常点50%。平常点には授業後に提出するミニッツペーパーも含まれます。
【テキスト・参考書】
授業内で各教員から指示する。
【その他】
・学生へのメッセージ
文学ってこう読むのか!という発見をぜひ体験してください。
・オフィス・アワー
摂津:月曜日9:00-10:30。その他教員に対してはまずメールでアポイントを取ること。
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