中国では、人間の営みにおいて文学が大きな比重を占める。「文章経国」という言葉があるように、文学はあらゆる思想、文化そして政治と深く関わり続けてきた。また、中国文明を古くから受容してきた日本や朝鮮をはじめとする東アジア地域においても、漢字で書かれた詩文は文化の基層となっている。そのため、本授業は中国文学の重要ジャンルと代表的な作者を取り上げ、その概要を立体的に学ぶことで基礎的な知識を獲得し、東アジア文明圏への理解を深めることを目的とする。

(1)中国文学に親しみ、各重要ジャンル・代表的な作者の特徴を説明できる。
(2)取り上げた作品を具体的に分析・解釈し、自分の考えを言語化できる。
(3)中国文学を手かがりに日本を含む東アジア文明圏の思考様式や価値観などの異同ついて考察できる。

中国古典文学　漢詩文　漢字文化圏

A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：1～25％

教職「教科に関する科目・漢文学」の授業。
この授業は、中国文学に関する知識を身につけることで、東アジア文化圏への理解を深め、国際地域社会で活躍するために必要な想像力や思考力を培うものである（人文社会科学部GSコースのカリキュラム・ポリシー）。

04.質の高い教育をみんなに

　この授業は対面で行う予定である。中国文学の諸ジャンルを概ね成立順に紹介し、古典文学の要素が脈々と受け継がれ、展開し、現代に至るまでの流れを代表的な作品に触れながら概観する。授業は主に配布した資料によりながら進め、最後に討論時間を設け、リフレクションペーパーを次回まで提出してもらう。次回の授業ではリフレクションペーパーのフィードバックを行ってから次のテーマに進む。

1）オリエンテーション
2）詩経
3）楚辞
4）楽府詩
5）漢賦と古体詩
6）中間発表
7）唐詩
8）宋詩
9）詞
10）戯曲
11）筆記小説
12）伝奇小説
13）話本小説
14）章回小説
15）試験とまとめ

１）授業で取り上げた作者・作品と真摯に向き合い、テクストを丁寧に読み解く。
２）配られた資料に目を通し、ノートなどに要点をまとめて内容の理解に努める。

１）授業中に疑問に思ったことや興味を思ったことについて図書館やインターネットで自分なりに調べる。
２）授業内容と調査結果を踏まえて自分の考えを文章化してリフレクションペーパーにまとめる。

授業への参加度、知識の獲得および理解の度合い、論理的思考力・文章表現力などをリフレクションペーパーの記載状況と期末試験の結果によって総合的に評価する。

・平常点（毎回のリフレクションペーパーおよび中間発表）50点
・期末試験50点

・テキスト：その都度、プリントを配布
・参考書：必要に応じて授業中に紹介

　新しいものはすぐ古くなるが、古いものは常に新しい。漢詩・漢文は時代も国境も飛び越えられるコンテンツ力を持っている。真摯に向き合えば、きっと自分なりの発見がある。

・火曜12時～13時、人文社会科学部2号館4階の陳研究室。
・できれば事前にメールやウェブクラスのメッセージ等で照会すること。