憲法2
 Constitutional Law 2
 担当教員:今野 健一(KONNO Kenichi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
日本国憲法の統治機構分野に関して概説する。統治機構全体にかかわる一般論(憲法総論に該当)のほか、立法・行政・司法の各国家作用や地方自治などを取り上げる。統治機構に関する重要論点をピックアップし、基本的な制度・運用の概要を明らかにし、憲法判例と憲法学説を交差させたコンパクトな解説を通じて、統治機構に関する基本的な知識を身につけ、憲法的な思考を体得してもらうことを目的とする。

【授業の到達目標】
1)統治機構分野における憲法学の基本的な概念を説明できる。
2)統治機構分野の基本的な憲法判例について理解し、憲法学説と対比させつつ、その意義を説明できる。
3)統治機構にかかわる問題の政治的・社会的・経済的背景を見定め、問題解決に向けた基本的な思考枠組みを述べることができる。

【授業概要(キーワード)】
統治機構、民主主義、法の支配、立憲主義

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、憲法学の体系性を踏まえた専門的な知識を身につけるとともに、社会の複雑多様な問題を憲法の観点から論理的・批判的に深く考察する能力を身につけるものである。(人文社会科学部総合法律コースのディプロマ・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
この授業は、テキストのほか、毎回配布するレジュメにしたがって対面で実施する。憲法総論の内容を含めつつ、各種国家作用の成り立ちと意義、構造と特質を明らかにし、具体的な問題の背景を踏まえ、その解決に向けた思考の筋道を考える。
・日程
第1回 統治機構総論
第2回 国民主権
第3回 象徴天皇制
第4回 平和主義(前半)
第5回 平和主義(後半)
第6回 立法権と国会(1):国会の地位・組織(前半)
第7回 立法権と国会(1):国会の地位・組織(後半)
第8回 立法権と国会(2):国会と議院の権限
第9回 行政権と内閣(1):行政権の概念、内閣の組織・権限
第10回 行政権と内閣(2):議院内閣制と衆議院の解散
第11回 司法権と裁判所(1):司法権の意味・範囲、司法権の独立
第12回 司法権と裁判所(2):違憲審査制、憲法訴訟
第13回 地方自治
第14回 憲法改正
第15回 授業のまとめ+期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)レジュメとテキストを参照しつつ、口頭による説明と板書を適切に要約・筆写し、かつ内容を理解する。
2)教員の問いかけには積極的に応答する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)指定する参考文献などをよく読み、分からない用語等は調べておく。
2)授業で示された主要な論点、疑問に感じた点などを中心に、参考文献などにより自ら調べ、理解を深める。

【成績の評価】
・基準
期末の筆記試験およびレポートを課し、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定する。具体には、筆記試験により、憲法学にかかる基礎的知識を有し、かつ適切に理解し得てているかを、 またレポートにより、憲法問題に関する論点を的確に理解・指摘し、自らの考えを正確かつ説得的に表現し得るかを評価する。さらに、適宜レスポンスカードへの記入を求めるなどし、参加態度が主体的なものたり得ているかを評価する。
・方法
試験(50%)、レポート(30%)、平常点(20%)
*レポートは期末に、授業で取り上げた論点との関係において課題を出す。

【テキスト・参考書】
テキストとして、只野雅人・松田浩編『現代憲法入門』(法律文化社・2019年)を使用する。参考書については、初回授業の際に概括的なリストを提示するとともに、各講レジュメに詳細なリストを付する。

【その他】
・学生へのメッセージ
疑問点は自ら調べるという習慣を身につけること。授業には主体的に取り組んでほしい。新聞を読むようにすること。
・オフィス・アワー
火曜日の13時~14時30分をオフィスアワーとする。場所は人文社会科学部3号館707号研究室。その他、メールでの問い合わせ等も可能。

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