【授業の目的】
人々の多くは、働いて得た収入に基づいて生活している。個人は人生の多くの時間を労働に費やし、また社会は労働が生み出す付加価値によって成り立っている。このような重要な労働について、経済学の視点で解釈しようとするのが労働経済学である。 本講義では、労働経済学の基礎的理論を学んでいく。そのうえで、少子高齢化を背景とした労働をめぐる社会的課題について、最近の研究成果から得られた知見を取り上げながら考察していく。
【授業の到達目標】
(1) 労働経済学の基礎的理論や概念について理解し、論理的に説明することができる。【知識・理解】 (2) 日本における労働をめぐる社会的課題について、授業を通して得られた知識や経験に基づき、自分の考えを整理し表現することができる。【態度・習慣】 (3) 労働に関する統計データを適切に捉え、説明することができる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
労働供給,労働需要,市場均衡,失業,賃金格差,家庭内生産理論
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本科目は、労働をめぐる社会的課題や政策に関する経済分野の高度な「専門知」を獲得し、論理的な思考能力と統計・資料に基づく分析力を養うために編成されている。 (人文社会科学部 経済・マネジメントコースのカリキュラムポリシー)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 08.働きがいも経済成長も
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを使用した講義形式で行う。 講義資料は事前にWebClassに掲載するので、各自ダウンロードまたは印刷して使用すること。 対面講義を原則とするが、一部オンライン開講(オンデマンド)となる場合がある。 授業の方法に関する詳細は、初回の授業(オンデマンド)で説明する。
・日程
以下の授業計画により進める予定である。 第1回 イントロダクション ※オンデマンド形式 第2回 労働供給①基本的な概念 第3回 労働供給②賃金率上昇の効果、後方屈曲型労働供給曲線 第4回 労働供給③理論モデルと実証研究 第5回 労働需要①労働需要の規定要因 第6回 労働需要②最適労働需要の決定 第7回 小まとめ・中間試験 第8回 労働市場の均衡・失業 第9回 家庭内生産理論 第10回 UV分析、最低賃金 第11回 補償賃金格差 第12回 AIと労働市場 第13回 男女賃金格差 第14回 多様な働き方 第15回 まとめ・期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
受講しながら、どこまでが理解できて、どこからが理解できなかったのかを明確にすること。 不明点は教員への質問や自主学習を通じて解決したうえで、次の講義を迎えられるようにすること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各トピックスごとに復習問題を提示するので、講義後に各自回答を作成しながら復習すること。 講義内で紹介する参考書や出所として提示する資料も適宜参照し、理解を深めるよう努めること。
【成績の評価】
・基準
(1) 労働経済学の基礎的理論や概念について理解し、論理的に説明することができるか (2) 日本における労働をめぐる社会的課題について、授業を通して得られた知識や経験に基づき、自分の考えを整理し表現することができるか (3) 労働に関する統計データを適切に捉え、説明することができるか
・方法
平常点(ミニッツペーパーの提出状況・授業への貢献等)20%、中間試験30%、期末試験50%とする。
【テキスト・参考書】
本授業ではテキストを指定しないが、自主学習用の参考書として以下を挙げる。
・清家篤・風神佐知子(2020)『労働経済』, 東洋経済新報社. ・川口大司(2017)『労働経済学 理論と実証をつなぐ』, 有斐閣. ・大森義明(2008)『労働経済学』, 日本評論社.
【その他】
・学生へのメッセージ
本授業は、ミクロ経済学の理論を労働市場に応用して考えていくため、受講に際してはミクロ経済学の基礎的知識を有することが望ましい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を岡庭研究室(人文社会科学部2号館4階)において、月曜日の10:30~12:00の間に設ける。会議や出張等で不在にすることがあるため、事前にメール等でアポイントメントをとることを推奨する。
|