【授業の目的】
日本語と英語の特徴について対照言語学の視点から多面的に考察します。英語との比較を通じて日本語を相対的に捉えるとともに、両言語について言語学的かつ分析的な理解を深めることを目的とします。 *この授業は、前期と後期に開講されますが、同内容なので両方履修することはできません。
【授業の到達目標】
(1)日本語と英語について対照言語学的視点から理解を深め、両言語のさまざまな側面について相対的・分析的に考察し、説明できる。【知識・理解】 (2)言語に関心を持ち、授業を通して得られた知識や経験に基づいて主体的に考察できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
日本語、英語、文法、対照言語学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:51~75% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:51~75% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
文化と社会(言語学) 言語学的視点から日本語と英語についてさまざまな角度から考察することを通じて、両言語について健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう
【授業計画】
・授業の方法
言語学のさまざまな分野から複数のトピックを設定し、日英語の特徴について対照言語学的視点から考察します。講義を中心としますが、トピックに応じてグループ・ディスカッションなどの活動も取り入れます。トピックに応じた事前の予習課題を毎回提出してもらいます。授業後にコメント・質問を提出してもらい、必要に応じて次の回にフィードバックを行います。原則として対面授業を行います。
・日程
第1回:ガイダンス:対照言語学の視点 第2回:日本人と英語(1)―日本社会の中の英語 第3回:日本人と英語(2)―日本語と英語の言語的距離 第4回:文字と言語(1) ―語彙の歴史 第5回:文字と言語(2) ―書いて読まれることば 第6回:役割語の役割―区別か、差別か 第7回:文法と翻訳(1) ―代名詞をどう使うか 第8回:文法と翻訳(2) ―名詞を数える・数えない 第9回:文法と翻訳(3) ―何を主語にするか 第10回:文法と翻訳(4) ―動詞の意味とオノマトペ 第11回:機械翻訳の時代に私たちはどう生きるか 第12回: 日英語の好まれる言い回し―状況を捉える視点 第13回:歌に見る日英語比較(1) ―音節とリズム 第14回:歌に見る日英語比較(2) ―語彙の選択と語りの形式 第15回:全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で扱う内容は、網羅的な学問体系ではなく、選択されたトピックについての考察なので、関連する事例や分野について常に自ら発展的に考察を広げていくことが期待されます。教員の気づかないような類例や反例などを主体的に考えることで授業に積極的に貢献してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習:授業の事前配布資料等を参考に、指定された予習課題に取り組んでください(WebClassで提出)。トピックに関する情報に積極的に触れ、知的感度を高めてください。 復習:授業内容を整理し、自分のコメントや質問をまとめるとともに(WebClassで提出)、関心に応じて参考文献等を利用してトピックに関する理解を深めてください。
【成績の評価】
・基準
学期末レポート、予習課題、コメント票によって、授業の内容に関して知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力と文章表現力)、参加への参加状況を判定し、総合的に評価します。基準は、(1)対照言語学的視点から日英語の具体的なトピックについて考察し、相対的・分析的に説明することができる(学期末レポート)、(2)授業を通して得られた知識や経験に基づいて主体的に考察できる(予習課題、コメント)。
・方法
学期末レポート(50%)、予習課題(30%)、コメント等を通じた授業への参加状況(20%)
【テキスト・参考書】
授業に必要な資料は毎回配付します(WebClassでのPDF配付もあり)。 参考文献はトピックに応じて毎回の授業で紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業は、いわば「日本語から英語を考える、英語から日本語を考える」ことの実践です。自分の母語について、外国語との比較を通じて分析的に見る訓練は、日本語・英語にかかわらず言語能力の向上に必ず役立ちます。
・オフィス・アワー
火曜日9・10校時(人文社会科学部3号館6階 鈴木亨研究室);事前にメール等で連絡をもらえれば、他の時間でも対応します。
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