【授業の目的】
主に山形県を対象として,農業を支える農業用水(水)と農地(土),そして農山村(里)を通して,地域の生活と密着した環境と社会基盤について考える。
【授業の到達目標】
本科目を履修した学生は, 1)本学が立地する山形県の農業を支える農地,用水の役割と歴史,農山村の姿,地域の生活に密着した環境と資源の現状について列記できる。【知識・理解】 2)社会の発達との関連について理解し、これから大学で学ぶことの準備をすることができる。【技能】 3)地域や自然の中で発達してきた人間社会のあり方と将来について考察することができる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
農業用水,農地,農村,森林,地域振興,自然環境,地理,風土・文化,水質,脱炭素社会
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,『山形市の変遷』や水辺空間『山形五堰』ほか県内市町村を主な題材とするが,全国および世界の農村環境をも題材として,農業農山村を支える自然条件や地域資源,地域環境についての学習を通して自然との共生,社会基盤の創出について考察し,理解を深めるとともに,地域社会との交流,提携のきっかけとなることをめざす。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
06.安全な水とトイレを世界中に 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 11.住み続けられるまちづくりを 13.気候変動に具体的な対策を 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
『世界および日本、特に山形に関連する13回の講義』と【現地見学】(1日程度)を行う。 講義:農学部エコサイエンスコース,アグリサイエンスコースの5人の教員によるリレー形式により実施する。 現地見学:チャーターバスで山形五堰を見学します。小白川キャンパスが出発地および解散地です。状況によっては,早朝や休日に行う活動となりますので,遠方から通学する人はきをつけてください。
・日程
主要なテーマは以下の通り。具体的な講義順は第1回目に説明する。 1.講義の進め方とガイダンス(石川雅也先生) 2.『地形図や空中写真からみる山形の変化と水土里資源にまつわるローカルヒストリー』(桒原良樹先生) 3.『森と水の関わり合い~水資源保全と山地防災』(吉村謙一先生) 4.『庄内砂丘~森林の変化と砂の関係性~』(吉村謙一先生) 5.『雪が育む山形の森林~積雪環境と森林生態系~』(吉村謙一先生) 6.『里山を活かした都市と農村の関係づくり~「飯豊町・朝日町」を事例に~』(渡辺理絵先生) 7.『山形における水災害と水圏生態保全にむけた課題』(渡邉一哉先生) 8.『山形であそぶ』(渡邉一哉先生) 9.『山形の祭事とご馳走』(渡邉一哉先生) 10.清らかな水環境をつくる農山村へ(石川雅也先生) 11.映像で見る様々な水田(石川雅也先生) 12.『山形発。農地からの温室効果ガス排出ゼロに向けた取り組み』(石川雅也先生) 13.まとめ(山形の水土里資源検定)(石川雅也先生) + 【現地見学】(5月~7月の時間外・週末・休暇中に、山形五堰へ1日程度見学する)(桒原良樹先生)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
理系,文系にこだわらず,身近な地域資源の姿を再発見するつもりで受講してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
山形県に限らず、自分の出身地の農村や都市の姿と環境,歴史,日々の生活を支えている水資源や食料等の問題に関心をもって復習すること。講義で取り上げた県内の各所を探訪してみてください。
【成績の評価】
・基準
地域の自然条件と農林業等の産業や街の形成発展に関して理解し,適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
レポート70点+平常点30点の合計100点で成績評価を行います。
【テキスト・参考書】
講義資料は各回に教員から配布します。 参考書(いずれも図書館にあります) 水土を拓く 「水土を拓く」編集委員会・農業農村工学会編,農文教発行 東北 地図で読む百年 平岡昭利編,古今書院 水の日本地図 水が映す人と自然 沖 大幹ほか,朝日新聞出版 世界の水田 日本の水田 Paddy Field in the World 日本の近代土木遺産「改訂版」ー現存する重要な土木構造物2800選
【その他】
・学生へのメッセージ
私たちの暮らしを支える社会や資源,潤いをもたらす身の回りの環境に目を向け,これからの勉学の方向に生かしましょう。
・オフィス・アワー
疑問点や興味をもった事など,各回の担当教員に積極的にコンタクトしてください。
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