地域の知恵と科学の力でエコ社会創り(山形から考える)
 Collaboration between Local Community and Science Toward an Ecological Society(Yamagata Studies)
 担当教員:大谷 典正(OHYA Norimasa)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
生活を豊かにしてくれる化学製品と地球環境との共存への理解を深めるため、身近なプラスチックゴミに焦点をあてて現状と課題についての基礎的な知識を得ることを目的とする。具体的には、重大な海洋汚染を引き起こすプラスチックゴミ削減にむけて家庭でできることは何か? また、正しいリサイクルの方法は? ゴミ問題の現状を講義するとともに、化学実験を通して最先端のリサイクル技術への理解を深める。また、身の回りには未利用バイオマス資源が豊富にあることを実験で体感するとともに、【地元山形のリサイクル団体の活動】並びに【山形県最上エリアを中心に展開されているバイオマス資源の活用】を紹介しながら、地域の知恵から自分たち市民レベルで可能な活動方法について考える。一方、みかんの皮に含まれるリモネンを利用した発泡スチロールのリサイクル化学実験や、雑草からゴムを取り出す実験を体験して、「化学の力」を利用して「ゴミ・ムダ」から資源が生まれることを学習し、自分の立場で地球資源を守るためになにができるのか理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
・【自然豊かな山形の地で、地道に環境保護運動を展開】している方たちの姿から、自分の立場で何が出来るかを考えることができる。 【知識・理解】
・リサイクルで活かされている科学の知恵について理解できる。【知識・理解】
・日本版グリーンニューディール政策の一翼を担えるような素地をみにつけ、プレゼンテーションを通じて自分の考えをまとめて説得力のある表現ができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
 リサイクル、地球温暖化、環境保護、バイオデーゼル、環境に優しいものつくり、学生主体授業(アクティブラーニング)

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
 地域社会との連携や科学技術の応用により、次世代にむけての地球環境保全に取り組み方を理論的に考察する素養を習得する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
06.安全な水とトイレを世界中に
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
 (1)毎回、物質文明と地球環境とを共存させていくための諸課題について触れ、現状を認識することで、次世代を担っていく立場での問題解決について考えていく。
(2)リサイクルやエコに関する資料を中心に講義を進め、地元『山形での精力的に活動するエコ事業』等々、最新の話題からも理解を深める。
(3)諸課題に関する、個々人の考えをまとめてプレゼンテーションでの口頭発表を行い、聴講者は発表内容についての質疑により理解を深める。
(4)化学的な手法によるリサイクル・エコ技術に関する演示実験を通して、環境との調和を目指すものづくり企業の取り組みを理解する。
・日程
 資源循環型社会の実現を目的とした下記の活動・テーマについて、概要説明をする。その後、それぞれの課題について自分の立場で何が出来るのかを調べて議論をする。個人でのプレゼンテーション発表も3回行う。
 (1)プラスチックゴミの問題(プレゼンテーション発表)4回
 (2)『山形県内の地域が取り組むリサイクル(プレゼンテーション発表)3回 
 (3)『山形での使用済植物性食用油からリサイクルせっけんづくり』3回
 (4) 企業が取り組む最先端なモノ創り研究 3回  
 (5)まとめ (プレゼンテーション発表) 2回  

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(1)パワーポーントで示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
(2)各自の予習内容を各グループにて検討し、内容を議論してとりまとめ発表する。
(3)課題内容をパワーポイントで分かり易く説明する。聴講学生は、積極的に議論に参加する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)課題ごとに予習レポートを課します。レポート用紙にまとめて提出を求めます。
(2)与えられた課題にむけて、図書館やインターネットを活用して情報収集を行い、自分の考えをまとめて講義中に発表できるようにする。
(3)講義中でのプレゼンテーションでの議論をふまえて、まとめた資料の改善に努める。授業外における予習・復習等の自主的な学修を心がけること。
(4)準備学修時間の目安は3時間/週です。

【成績の評価】
・基準
(1)エコ社会創りに関する基礎的な事項について適切に説明できることを合格基準とします。
(2)エコ社会創りへの様々な取り組みについての基本的な概念を理解していることを合格の基準とします。
(3)エコ社会創りへについて、授業をとおして得られた知識や経験に基づいて主体的に考察し、プレゼンテーションできることが合格の基準です。
・方法
課題提出物20点、課題内容に関するプレゼンテーション80点

【テキスト・参考書】
講義内容に関する資料や論文については適宜プリント等を配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 これまで、化学を学んできた人だけでなく、高等学校で化学を学んでこなかった人でも理解できる授業です。20世紀に、人類にたくさんの恩恵を与えてくれたプラスチックが、現在では海洋汚染等の重大な問題を引き起こしています。化学製品と地球環境との調和について考えてみましょう。
・オフィス・アワー
 毎週月曜日9:00〜12:00 (理学部先端科学棟2階大谷研究室)
メール連絡はいつでも ohya@sci.kj.yamagata-u.ac.jp

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